Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(8)
「Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(7)」の続きです。
今日も2ページ。
(8)によって、でである。(14)の中のノード2の両方のサービス時間が、よく知られた指数分布のように、平均1と2乗変動係数1を持っているので、を我々は求めるべきであることに注意しよう。
内部到着レートを得るために、セクション4.1でのようにトラフィック・レート方程式を解く。
(15)すると、、、を得る。
最後に変動パラメータを得る。最初に、(12)からとを得る。次に(11)から、となので、と。ノード2へは1つの外部到着過程があるだけなので、とを得る。
III.即座戻りの除去
このセクションではQNAが内部フロー・パラメータを計算し混雑を解析する前に遂行することが出来る機能を説明する。ユーザは即座戻りを除去するためのネットワークの再構成を選ぶことが出来る。この手続きは、元々Kuehn*1によって提案されていたが、通常、近似の質を上げている。よって、これはお勧めであり、QNAの標準バージョンで実行される。
即座戻りはの時にはいつも発生する。QNAはマルコフ的ルーティングを仮定しているので、ノードでサービスを完了した個々の客は確率でノードに戻され、再びサービスを受ける。分解法では、QNAは客がいつもノードで平衡時の客の数を見出し、個々の訪問は独立の実験であると仮定している。
QNAは個々の客に、他のノードからの到着時に、他のノードへ向かう前の客の総サービス時間を与えることにより即座戻りを除去する。これは客を列の最後尾の代わりに列の先頭で即座に戻すことに等価である。ノードからノードへの遷移は除去され、ノードへの遷移の確率は客がノードから出発するとした時の古い条件確率になる。言い換えれば、他のどこかからノードへの個々の訪問プラスすぐに戻る全ての後続の時間は1回の訪問と解釈される。埋め合わせのためにサービス時間は増やされる。
この手続きの動機の説明は簡単である。ベルヌーイ(マルコフ的)戻りと一般到着過程(ポアソンや再生過程である必要はない)と独立なiidサービス時間を持つ複数サーバ・ノードについて、待ち行列長さ過程(しかし待ち時間ではない)の分布はこの変形の後でも同じである。よって、我々は戻りのない変形されたノードについて平衡待ち行列長の平均と分散の近似値を計算し、近似待ち時間の特性値を導出するために用いる。リトルの公式*2 *3によって、期待待ち時間も正確である。つまり、唯一の誤差は再生過程による到着過程の近似とGI/G/m待ち行列の特性値の近似にある。即座戻りによる追加の誤差は存在しない。
再構成の第1ステップは非常に簡単である。新しいサービス時間は古いサービス時間分布の重畳み込みの幾何混合と見なされる。パラメータ、、は、の時、、、に変更される。
、 (16)
その後、ノードの混雑尺度を計算する時に、QNAはさらに調整を行う。(16)に従って即座戻りを除去する時、客が即座に戻る時間を別々の訪問としてもはやカウントしない。よって、1回の訪問あたりで表現される混雑尺度を調整する必要がある。例えば、外部からの1訪問あたりのノードへの期待訪問数はなので、ノードへの元々の1訪問あたりの期待待ち時間を得るために、(16)から得られる期待待ち時間の値にをかける。もちろん、個々のノードでの客の数は戻り処理によって影響を受けない。
、などが新しく調整された値を表すとしよう。(16)を用いて得られたパラメータ、などを用いて、新しく調整された値は
(17)
「新しいサービス時間は古いサービス時間分布の重畳み込みの幾何混合と見なされる。(The new service time is regarded as a 「geometric mixture of the n-fold convolution of」 the old service-time distribution.)。」「重畳み込みの幾何混合」というのは何のことだかさっぱり分かりません。でも今はセクション4.2を目指して先に進みます。