Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(12)
「Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(11)」の続きです。
(サンフランシスコ空港にて)
出発過程のための最も適切な見方、定常間隔法か漸近法か、は、出発過程が到着する次のノードでのトラフィック強度に依存する。次のノードでのトラフィック強度が増加するにつれて、出発過程の漸近法近似はより適切になる。例えば、2つの待ち行列が直列になってパラメータ、、、、、を持つ場合を考察しよう。もしとする一方でを変えないままにするならば、で2番目の待ち行列は高負荷になる。そのような高負荷条件の下では、2番目のノードの混雑尺度は、仮に最初の設備が取り除かれた場合と漸近的に同じであることが、つまり、あたかも2番目のノードへの到着過程が最初のノードへの到着過程であるかのようであることが、示されてきた。*1より一般的には、任意の到着過程について漸近法は高負荷にある待ち行列についての漸近的に正しい近似であることが証明されてきた。*2
よって出発近似を、後続ノードにおけるトラフィック強度を用いて調整することは自然である。出発過程は通常分割され、さまざまなノードへさまざまな強度で送られるので、分割後に調整を行うのが適切である。をノードでの出発であるとする。すると
(40)はノードに向かう出発の部分についてのである。我々はを漸近法と定常間隔法によって[(39)を用いて]得られた近似の加重組合せであるとする。
(41)はを満たしでのようにの増加につれて増加するように選ばれる。しかし、我々はまだ正のが役に立つのを見出していないので*3、QNAの現バージョンは(28)を用いる。
(38)から、QNAによって示されるように、出発過程変動は到着過程変動とサービス時間変動の適当な加重平均であることは明白である。よって、サービス時間が確定的な場合、つまりの場合、出発過程は到着過程より変動が少ない。しかし、確定的サービス時間が引き起こすネットワーク内の変動の実際の現象は(38)や(39)が予測するほど大きくはない。よって、我々は(39)を
(42)で置き換える。この変更を行った後、(25)〜(28)を得る。
4.6 客の生成と組合せ
客の生成と組合せは出発過程の修正として取り扱われる。ノードで客の生成がある場合、個々の出発をサイズのバッチで置き換える。ノードで組合せがある場合、個々の出発間隔を個のそのような間隔の合計で置き換える。これらは整数値についてはより納得出来るがそれを要求してはいない。よって、セクション2.2で記述したように、ノードからの出発レートは、到着レートがの場合、である。変動パラメータを得るためには漸近法を用いる。長期間でのノードからの出発の数はかける出発の数であるので、客の生成や組合せについての変動パラメータの漸近法近似は単ににをかけるだけである。(漸近法によって、。Whitt*4のセクション2を参照。)これは分岐の前に行われる。
4.7 総合
式(24)から(30)までの基本連立方程式を、セクション4.3から4.6までを組み合わせることにより以下のように得る。(43)1行目は重ね合わせ、セクション4.3に基づき、2行目は出発、分岐、客の生成、セクション4.4から4.6までに、に基づいている。
V. ノードでの混雑
個々の内部到着過程に関係するレートと変動パラメータを計算することで、個々のノードについて近似混雑尺度を計算する準備が出来た。この時点で我々はネットワークを個別に解析される個々のサービス設備に分解する。個々の設備は5つのパラメータ、つまり、サーバの数と、到着間隔時間の最初の2つのモーメントとサービス時間の最初の2つのモーメント、によって部分的に特徴付けられた標準GI/G/m待ち行列である。
「Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(13)」に続きます。
*1:D. L. Iglehart and W. Whitt,「高流量での複数チャネル待ち行列、II:順序とネットワークとバッチ」Adv. Appl, Prob., 2, No.2 (Autumn 1970), pp.355-69.
*2:D. L. Iglehart and W. Whitt,「高流量での複数チャネル待ち行列、II:順序とネットワークとバッチ」Adv. Appl, Prob., 2, No.2 (Autumn 1970), pp.355-69.
*3:W. Whitt,「出発過程の近似と直列になった待ち行列」Nav. Res. Log Qtr., to be published.
*4:W. Whitt,「再生過程による点過程の近似、Ⅰ:2つの基本的方法」Oper. Res., 30, No.1 (January-February 1982),pp.125-47.