QNA読解:4.7 総合

上位エントリー:Word Whitt: The Queueing Network Analyzerの構成


QNA読解:4.5 出発(2)」の続きです。「QNA読解:4.5 出発(2)」の最後に登場した最後の式(エ)は、一つ前のノードへの到着の間隔の2乗変動係数が分かっている時に、そのノードを出発し、分岐して、当該ノードに到着する流れの2乗変動係数を求める式でした。

  • c_{ij}^2=v_{ij}(q_{ij}c_{ai}^2+1-q_{ij})
    • +(1-v_{ij})[q_{ij}[1+(1-\rho_i^2)(c_{ai}^2-1)
    • +\rho_i^2m_i^{-0.5}(\max\{c_s^2, 0.2\}-1)]+1-q_{ij}]・・・・(エ)

さて、一般に当該ノードにはさまざまなノードから流れが到着するので、ここで「QNA読解:4.3 重ね合わせ(2)」で求めた重ね合わせの式(33)

  • c_H^2=w\Bigsum_i\left(\lambda_i/\Bigsum_k\lambda_k\right)c_i^2+1-w・・・・・・(33)

を用いて、当該ノードjへの到着する流れを全体的に見た場合の到着間隔の2乗変動係数c_{aj}を求めると

  • c_{aj}^2=1-w_j+w_j\Bigsum_{i=0}^np_{ij}c_{ij}^2

ここで(エ)を代入すると

  • c_{aj}^2=1-w_j+w_j\left[p_{0j}c_{0j}^2+\Bigsum_{i=1}^np_{ij}(v_{ij}[q_{ij}c_{ai}^2+(1-q_{ij})]
    • +(1-v_{ij})\{q_{ij}[1+(1-\rho_i^2)(c_{ai}^2-1)
    • +\left+\rho_i^2m_i^{-0.5}(\max\{c_{si}^2, 0.2\}-1)]+1-q_{ij}\})\right]・・・・(オ)

となります。ただし、

  • p_{0j}
    • 外部からネットワークに入る客のうちノードjに到着する客の割合
  • c_{0j}
    • 外部からノードjに到着する客の到着間隔の2乗変動係数

です。論文には客の生成、組合せを考慮した

  • c_{aj}^2=1-w_j+w_j\Bigsum_{i=0}^np_{ij}c_{ij}^2
    • =1-w_j+w_j\left[p_{0j}c_{0j}^2+\Bigsum_{i=1}^np_{ij}(v_{ij}[q_{ij}\gamma_ic_{ai}^2+(1-q_{ij})]
    • +(1-v_{ij})\{\gamma_iq_{ij}[1+(1-\rho_i^2)(c_{ai}^2-1)
    • +\left+\rho_i^2m_i^{-0.5}(\max\{c_{si}^2, 0.2\}-1)]+1-q_{ij}\})\right]・・・・(43)

が登場しています。(43)で

  • \gamma_i=1

とおけば(43)は(オ)に一致することが分かります。


QNA読解:4.2 トラフィック変動方程式(2)」に続きます。
QNA読解:V. ノードでの混雑」に続きます。