「複数クラスを持つM/M/2待ち行列(1)」の続きです。
「複数クラスを持つM/M/2待ち行列(1)」の最後のところで、図3の右側の2つの状態を区別することがわずらわしくなってくると述べました。そこで、どのクラスのジョブが現実にどの装置上にあるかにかかわらず、図の上ではクラスはA、B、C・・・・の順に装置#1から順に詰めていくものとします。
こうすることによる場合分けの数の削減メリットは、M/M/2では装置が2台しかないのであまり目立ちませんが、もっと装置台数が増えると削減のメリットが大きくなります。このようなルールに基づいて図3を書き直してみると
となります。この図に対応する平衡方程式は
となります。ここから
が導かれます。同様に考えて
です。次に図2
は、上のルールに従えば
になります。この図に対応する平衡方程式は
となり、これを変形して
になります。ここでちょっと注意しなければならないのは、
図6のように2台の装置に同じクラスのジョブが入っている状態(図の右)への遷移については、1つの状態(図の左)だけからの遷移になることです。この図に対応する平衡方程式は
これを変形して
になります。同様に
になります。
最後に図1の場合は、
上のルールに従っても、遷移の関係は変わらずです。一応図に示すと下記のようになります。
この図に対応する平衡方程式は
となり
- ・・・・・(10)
となります。
式(5)〜(10)を用いれば、任意の状態の定常状態確率が[tex:P*19]の関数として表すことが出来ます。そして最後にそれらの状態を全て合計したものが1になるという条件から[tex:P*20]の値を求めることが出来ます。
「複数クラスを持つM/M/2待ち行列(3)」に続きます。