D/M/1待ち行列の到着時刻状態分布(3)
では、「D/M/1待ち行列の到着時刻状態分布(2)」で求めた式(16)
- ・・・・・(16)
をについて解きましょう、と言いたいところですが、これは解析的には解けません(少なくとも私には)。そこで、Excelを使って、の値を定めて、の値をいろいろ変えて式(16)の左辺と右辺が等しくなるように調整してみました。その結果を下のグラフに表します。
こうして求めたを「D/M/1待ち行列の到着時刻状態分布(2)」の式(14)に代入するとジョブ到着時にシステム内にあるジョブの個数の確率分布を求めることが出来ます。
その計算結果を紹介します。比較のためにM/M/1の定常状態分布も一緒に示します。
- 利用率10%のとき
利用率10%ですから装置が空いている確率は90%になります。しかしジョブ到着時に限って見てみるとこの場合、ほぼ100%装置は空いていることがこのグラフから分かります。つまり、ジョブの到着が等間隔なので、ジョブの到着する直前が一番ジョブ数が少なくなっているのです。PASTAが成立していないことに注意して下さい。
- 利用率20%のとき
- 利用率30%のとき
- 利用率40%のとき
- 利用率50%のとき
- 利用率60%のとき
- 利用率70%のとき
- 利用率80%のとき
- 利用率90%のとき
「D/M/1における待ち時間の式の導出」に続きます。