E2/M/1待ち行列の到着時刻状態分布(2)
「E2/M/1待ち行列の到着時刻状態分布(1)」の続きです。
あるジョブ到着直前にシステムにジョブが個あったとします。その次のジョブ到着直前に個になる確率をで表すことにします。この間隔の間にジョブは1個到着しますが、処理完了するジョブは最大、全部終了する可能性があります。よってジョブが2個以上増える確率はゼロです。よって
- ただし・・・・・(9)
さらに、2番目の到着直前にジョブが1個以上残っている確率は式(8)を用いて
- ただし・・・・・(10)
2番目の到着直前にジョブが0個残っている確率には(10)は適用出来ません。というのは元々個しかないので、(到着したジョブも含めて)個より多くのジョブが処理完了することはないからです。最初の到着の直前に個だった場合に、次の到着直前でのジョブ数の全ての可能性の確率を足せば1になるはずですから、
よって
ここで(10)を用いれば
よって
- ・・・・・(11)
ところで最初の到着直前にシステム内のジョブ数がである確率をとすれば、次の到着直前でジョブ数がである確率は
で表されます。定常状態では、この確率はに等しいはずですから
になります。これが平衡方程式になります。これを(9)(10)(11)を考慮すると
の時
よって
- ただし・・・・・(12)
の時
- ・・・・・(13)
ただしは(11)で与えられる、となります。
さらに全確率の定理から
- ・・・・・(14)
これら(12)(13)(14)を解くことによってを求めることになります。
これらの式は、「D/M/1待ち行列の到着時刻状態分布(2)」の式(8)(9)(10)(7)とまったく同じです。違うのは、の具体的な値だけです。よって「D/M/1待ち行列の到着時刻状態分布(2)」の式(14)と同じように
- ・・・・・(15)
に置くことが出来ます。式(12)でを代入して
- ・・・・・(16)
式(16)に式(15)を代入して
よって
よって「E2/M/1待ち行列の到着時刻状態分布(1)」の式(8)を代入して
- ・・・・・(17)
「補足」の式(1)から
- ・・・・(18)
同じく「補足」の式(2)から
- ・・・・(19)
(17)と(19)から
ここで
- ・・・・・(20)
を代入すると
よって
この両辺に
をかけると
この式と式(17)から
- ・・・・・(21)
の値は(21)を解いて求めることになります。そうして求まったを(15)に代入してを求めることが出来ます。
「E2/M/1待ち行列の平均待ち時間とその近似式」に続きます。