QNAによるライン・サイクルタイムの計算例(8)
「QNAによるライン・サイクルタイムの計算例(7)」の続きです。
ステーション1で2つの流れの到着間隔の変動係数を合成するために「QNA読解:4.3 重ね合わせ(2)」の式(33)、(ウ)、(35)
- ・・・・・・(33)
- ・・・・・・(ウ)
- ・・・・・・(35)
を用います。ステーション2からの出発間隔の変動係数をで表します。ステーション1全体での到着間隔の変動係数は、外部からの流れの変動係数とステーション2からの流れの変動係数を合成したものになります。よって、以下の式が成り立ちます。
- ・・・・・・(14)
- ・・・・・・(15)
- ・・・・・・(16)
式(16)はもっと簡単に出来て
- ・・・・・・(17)
となります。これを(16)に代入して
- ・・・・・・(18)
次にステーション1についてつなぎの式(「QNA読解:4.5 出発(1)」の式(39)参照)を適用すれば
- ・・・・・(19)
となります。次にステーション2についてつなぎの式を適用すれば
- ・・・・・(20)
(14)、(18)、(19)、(20)から、を求めることになります。実際にそれを行うと式が煩雑になりますので、ここではやり方の概要を示すに留めます。
(18)を(14)に代入するとは消えて、は
- 未知数
- 既知数
- 、
で表されます。さらにその式に(20)のを代入すると、は
- 未知数
- 既知数
- 、、、
で表されます。さらにその式に(19)のを代入すると、は
- 未知数
- 既知数
- 、、、、
で表されるので、この式を変形することでが求まることになります。求まったを(19)に代入してを求めることが出来ます。
これで、
- 、、、
- 、、、
の全てを求めることが出来ましたので、あとは
- ・・・・・(21)
- ・・・・・(22)
で、それぞれのステーションでの平均待ち時間が求まります。これらから、この品種のサイクルタイムは
- ・・・・・(23)
で計算することが出来ます。
さて、このあとは、複数品種でループのあるラウティングを持つラインを計算の対象にしたいところですが、すでに上に見たように1品種でループのあるラウティングを持つラインですら、かなり複雑な計算を要することが見て取れます。複数品種でループのあるラウティングを持つラインの計算過程を書き下すことは私の手にあまるので、その計算例を示さないことにします。
以上で、QNAを用いたサイクルタイムの計算例を終了します。