「サイバネティックス」という本の「第2章 群と統計力学」(8)
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その次はこれを検討します。
したがってがほとんど常にとる値は、
となる。
どうして「したがって」なのでしょう? 以下は私の推測です。
は保測変換なので
よって、任意の自然数について
- ・・・・・(1)
ところで
(2.21)
であったので、この両辺をxに関して積分し、式(1)を用いると
ここでとするとの定義から
になるので
ところがはほとんど常に(つまり測度1のの集合について)一定なので
よって
- ・・・・・(2)
この式の左辺は「「サイバネティックス」という本の「第2章 群と統計力学」(4)」の最後で示したように、無限時間での平均です。一方、右辺は集合における平均です。これで
- 時間平均=集合平均
を示すことが出来ました。
こうして、ギブスが位相平均を時間平均でおきかえたことが正当化される
わけです。
それにしても、実際の統計力学への適用において、変換が集合において「測度可遷的」であるかどうかが問題になります。その問題は私には手に負えないので、ひとまず、おいておきます。
それよりもまず、集合が統計力学において何を意味し、点や変換が何を意味するのかを、説明しておくべきでしょう。この本「サイバネティックス」ではその部分が抜けております。では、次は、それについて(浅学を省みず)ご説明します。
「「サイバネティックス」という本の「第2章 群と統計力学」(9)」に続きます。