多品種方針と1品種方針(2)

多品種方針と1品種方針(1)」で求めた式(1)と(2)を用いて、品種数mが増えると評価尺度y=(1品種方針の場合の総売り上げ個数)/(多品種方針の場合の総売り上げ個数)がどのように変化するか、グラフに書いてみることにする。売れる期間T_2を12ヶ月(つまり、T_2=12)、サイクルタイムT_1を1ヶ月(つまり、T_1=1)として、mを1から20まで変化させ、式(1)と(2)を用いてyを計算し、グラフ化する。すると以下のような結果になる。

よって、品種数が多いほど、多品種方針のほうが有利になる。


今度は品種数を10に固定して、売れる期間を6ヶ月から20ヶ月まで変化させてみる。

売れる期間が短いほど、多品種方針のほうが有利になる。


最後に品種数を10に固定し、売れる期間を12ヶ月に固定し、サイクルタイムを1ヶ月から6ヶ月まで変化させる。

傾向ははっきりしないが、サイクルタイムが売れる期間の半分より大きいというのは望ましい状況ではないので、T_1が6ヶ月未満の部分を見てみると、サイクルタイムが長いほど、多品種方針のほうが有利になる、と、ほぼ言える。


以上から、短寿命市場環境においては、多品種生産にならざるを得ないことが結論づけられる。