5月16日の「短寿命市場環境と短サイクルタイム」についてブログを読んでくださるTさんからメールでご指摘を頂きました。
評価指標は販売機会損失の方が良いのでは?・・・・・
販売機会損失の視点で行くとT2後に製品は突然売れなくなりますので
工場には売れない仕掛がXT1残ることになります。
確かにこういう視点が抜けておりました。ここに追加してアップします。
サイクルタイムが、スループットがなのでリトルの法則によって工場内には常に個の製造途中の製品(=在庫)があることになります。
製品1個あたりの原材料費が円/個であるとしますと、在庫の金額は円となります(「ザ・ゴール」の考え方では労務費を付加価値として製造中の製品の価値に付加しません)。この在庫が後には無駄になりますので円が無駄になります。単位時間あたりの無駄は
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になります。従ってサイクルタイムが短いほど無駄になる在庫が少なくなることが分かります。
これを含めたほうが
T1短縮の効果が多く出ると思います。
はい、確かにそうでした。
さてこのような無駄な出費は「ザ・ゴール」でいう工場の3つの指標、スループット、在庫、経費のうち、どれに影響を与えるか、ということを次に私は問題にしたのですが、これについてTさんから教えて頂いたことは
ということです。ここで話を簡単にするために
- 真の変動費=材料購入費
とします。すると
- スループット=売上げ−材料購入費
となります。売れなかった在庫は、材料購入費だけがかかって売上げがなかったというふうにスループットに影響するということをTさんから教えて頂きました。ありがとうございます。
そこでこのことを式に反映させてみます。
ここで「短寿命市場環境と短サイクルタイム」で考慮していなかった仮定を追加します。経って製品が売れなくなったら、すぐに工場はまた品種を均等量生産し始めるという仮定です。この品種が製品になるまでの時間の間はまったく製品が売れません。よって、
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は期間の売上げ個数であるよりも期間の売上げ個数と考えないと正しい1ヶ月あたりの売上げ個数を計算することが出来ません。前回はこの考慮が足りませんでした。従って正しい単位時間あたりの売上げ個数は
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となります。
「前回」用いた数値の例、=12ヶ月、=10,000個/月を用いると、サイクルタイムと1ヶ月あたりの売上げの関係は下のグラフのようになります。