閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(8)
「閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(7)」の続きです。
補題2を導出する過程でにしてもこの導出が成立することに注意して下さい。また、補題2から状態との間でも同様な関係が成り立つことが分かります。
さらに、状態と(ただし、)について考えます。そして
が成り立つかどうかを調査します。遷移確率の比は
- ・・・・・(49)
となります。式(44)を状態とに適用すれば
- ・・・・・(50)
式(50)を(49)に代入して
- ・・・・・(51)
次に式(44)を状態とに適用すれば
- ・・・・・(52)
式(51)と(52)から
- ・・・・・(53)
よって補題4が成り立ちます。
ネットワーク全体でジョブがS−1個ある場合の全ての状態は、合計ジョブ数が一定なので、ステーション、、の間でジョブ数を1つ移す操作を繰り返すことによって、任意の状態から別の任意の状態に変換することが出来ます。(は1を含むことに注意) よって補題2、3,4から次の補題が導かれます。
最後に、ネットワーク全体でジョブがS個ある場合に、ステーション1にジョブが到着する際、そのジョブが見る状態の確率の合計は1であり、ネットワーク全体でジョブがS−1個ある場合の状態の確率の合計も1であることと、補題5から
- 補題1
が導かれます。補題1から
- 定理1
が導かれます。これで一般の閉鎖型ジャクソンネットワークについて到着定理の証明が出来ました。