工程間バッファ容量(2)

工程間バッファ容量(1)」の続きです。


工程間バッファ容量(1)」では、有限の大きさの工程間バッファが、2工程のCONWIPでモデル化出来ることを述べましたが、あまり精密に述べませんでした。ここで補足をします。
例としてジョブ4個のCONWIPを考えます。この2工程からなるシステムの状態を、最初のステーションでのジョブ数と2番目のステーションでのジョブ数の組で表すことにします。両方のジョブ数を足すと4になるので、可能な状態は(4,0)、(3、1)、(2,2)、(1,3)、(0,4)の5つです。まず、状態(4,0)を図示すると

  • 図1

となります。これを工程間バッファの容量が3であるシステムに当てはめると下の図のようになります。

  • 図2

この場合、システムの最大のスループットを求めたいので、最初のステーション(図の装置1)の左側に無限の数のジョブが常に存在していると仮定しているので、それを示すために青色のジョブを図に付け加えています。同様に状態(3,1)は下図のように書けます。

  • 図3

状態(2,2)は下図のように書けます。

  • 図4

状態(1,3)は下図のように書けます。

  • 図5

状態(0,4)は下図のように書けます。

  • 図6

この図をCONWIPとして解釈すると、すでに2番目のステーションジョブが4つあるので、最初のステーションは空いていることになります。この図を容量3の工程間バッファを持つシステムとして解釈すると、工程間バッファが満杯のため、装置1の前には無限数のジョブが存在しているにもかかわらず、装置1にジョブが進むのを控えていることになります。


このように見てくれば、有限の大きさの工程間バッファは2工程のCONWIPでモデル化出来ることが分かります。


工程間バッファ容量(3)」に続きます。