工程間バッファ容量(3)

工程間バッファ容量(2)」の続きです。


今までは、工程間バッファが満杯の時は最初の装置にはジョブは入ってこない、というルールを前提にしてきました。

  • 図2

しかし、現実には次のような別のルールも考えられます。つまり、

  • 工程間バッファが満杯の時でもジョブは最初の装置に入ることが出来る.
  • その代わり、処理が終わった時に工程間バッファが満杯だったら、処理済のジョブは最初の装置に留まる。
  • そしてそのジョブが出て行かない限り、最初の装置は次のジョブを受け取ることが出来ない。

というルールです。下の図は、装置1で処理済のジョブが工程間バッファに出ていけずに留まっている様子を表しています。

  • 図7


この図の例では工程間バッファの容量は3としていますが、この場合はジョブ数5のCONWIPと解釈することが出来ます。これを一般の容量の場合に拡張すると、このルールの場合は、工程間バッファの容量+2のジョブ数で運用されるCONWIPと解釈すればよいことになります。


上記のルールを「ルール2」とし「工程間バッファ容量(1)」で述べたルールを「ルール1」とします。工程間バッファの容量とシステムの相対キャパシティ(工程間バッファ容量が無限大の時のキャパシティを100%とした場合のキャパシティ)の関係をグラフにすると

  • 図8

となります。工程間バッファの容量が小さい時は、ルール2のほうがルール1に比べてキャパシティがかなり大きいですが、容量が大きくなるとその差は小さくなります。