パートIV.パラメータ値決定:Quantitative System Performance

パートIII.特定サブシステムの表現」の続きです。

パートIV.パラメータ値決定


 パートIIIIIで我々は待ち行列ネットワーク・モデルの定義と評価について広範囲に検討してきた。ここパートIVで我々はこれらのモデルのパラメータ値決定について検討する。パラメータ値決定はモデル化過程の心臓部である。というのはスタディの結果は待ち行列ネットワーク評価アルゴリズムに提供されるパラメータの値より正確にはなり得ないからである。
 我々の提示内容は3つの部分に分かれる。第12章では既存システムのベースライン・モデルの構築について検討する。妥当性を確認されたベースライン・モデルは既存システムのどんな能力スタディにとっても出発点である。
 第13章では改善解析について検討する。これは改善した環境について性能を予測するためにパラメータ値を調整する過程である。改善解析のキーは主要効果を予測し表現する能力である。このため、改善解析は解析者の経験にかなりの程度依存する。
 第14章は提案するシステム、つまりベースライン・モデルを構築し妥当性を確認出来ないシステム、の性能を予測するために待ち行列ネットワーク・モデルを使用することを検討する。新しいシステムを設計する過程はコストと性能の間のたえまないトレードオフを引き起こす。待ち行列ネットワーク・モデルは性能を数量化するのを助け、従って設計過程全体を導くことを助けることが出来る。
 これら3つの章の分割は多くの点で人為的である。既存システムのベースライン・モデルの構築は、それが進展するにつれて、システムの性能の予測の際にモデルの意図された応用についての知識によって導かれなければならない。提案するシステムをモデル化するために開発されてきた、作業負荷の特徴づけの継続的改良のためのテクニックは、既存システムとシステム改善を扱う際にもきわめて役立つ可能性がある。