1.3.3.評価:Quantitative System Performance

1.3.2.パラメータ値決定」の続きです。

1.3.3.評価


 我々は待ち行列ネットワーク・モデルを評価する2つの方法を区別する。最初のものは性能尺度の特定の値よりも限界を計算することを含む。例えば、パラメータの値(負荷強度とサービス要求時間)の特定の集合について応答時間の上限と下限を決定するというものである。この方法の利点は計算が手で実行出来るほど簡単であるということであり、得られる境界値は研究対象のシステムを理解するのに大いに貢献する可能性がある。
 2番目の方法は性能尺度の値を計算することを含む。これを行うためのアルゴリズムは、コンピュータ・プログラムの使用が必須なくらい複雑であるが、これらのアルゴリズムは極めて効率的であることを強調することが重要である。特にほとんどの効率的な一般的アルゴリズムの処理時間はサービス・センターの数と客クラスの数の積に比例し、個々のクラス内の客の数とはかなり独立である。100個のサービス・センターと10の客クラスを持つ待ち行列ネットワーク・モデルはたった数秒のCPU時間で評価可能である。
 待ち行列ネットワーク・モデルを評価するアルゴリズムは最低レベルの待ち行列ネットワーク・モデル化ソフトウェア・パッケージの構成要素となる。より高いレベルは通常、特定のサブシステムの特性を最低レベルの一般アルゴリズムマッピングする変換ルーチンや、特定のコンピュータ・システムの「業界専門用語」を待ち行列ネットワーク・モデルの言語に翻訳するユーザ・インタフェースや、システム測定データからモデル・パラメータの値を得るのを支援する高レベル・フロントエンドを含む。