1.5.1.待ち行列ネットワーク・モデルと待ち行列の一般ネットワーク:Quantitative System Performance

1.5. 関連技術」の続きです。

1.5.1.待ち行列ネットワーク・モデルと待ち行列の一般ネットワーク


 この本は待ち行列の一般ネットワークの部分集合に関係している。この部分集合は分離可能待ち行列ネットワーク(歴史的なそして数学的な理由で用いられた名前)からなり、それは特定のコンピュータ・システムの特徴の正確な表現の必要性により拡張された。
 我々はこの部分集合のメンバを評価することが出来る効率のゆえにこれらのメンバに我々関心を限った。この効率は今日のコンピュータ・システムを解析する際に必須であり、そのようなコンピュータ・システムは数百のリソースと数十の負荷コンポーネントを持ち、各々のコンポーネントは多くのユーザやジョブからなっている。
 この部分集合への制限は、研究対象のコンピュータ・システムについて若干の仮定を暗示している。のちの諸章で我々はこれらの仮定を検討する。一方、これらの仮定は厳密にはめったに満足されない。他方、これらの仮定に違反することによって起こる不正確さは、最悪でも、他の原因(例えば、不適切な測定データ)から起こる不正確さと同程度である。
 これらの仮定の多くを除去した待ち行列の一般ネットワークは、解析的に評価可能であるが、そのアルゴリズムはネットワークの規模の増加とともに法外なほどに迅速に増加する時間とスペースを要求する。それらは若干の特殊な環境では役立つが、現実的なコンピュータ・システムの直接解析には役立たない。