4.2.1. 客の記述:Quantitative System Performance

4.2. モデルの入力」の続きです。

4.2.1. 客の記述


 負荷強度は、表現するのに最も適したコンピュータ・システム作業負荷を示唆するために名前をつけられた、3つの方法のどれかで記述される。

  • トランザクション作業負荷は、要求(客)が到着するレートを示すパラメータ\lambdaによって指定される強度を持つ。トランザクション作業負荷は時間の経過と共に変化する個数を持つ。処理が完了した客はモデルから離れる。
  • バッチ作業負荷は、アクティブ・ジョブ(客)の平均個数を示すパラメータNによって指定される強度を持つ。(Nは整数である必要はない。) バッチ作業負荷は固定の個数を持つ。処理が完了した客はモデルを去り、即座に待ちジョブのバックログからのジョブに置き換えられると考えることが出来る。
  • 端末作業負荷は、アクティブな端末(客)の数を示すNと、客が端末を使う(「考える」)時間の平均長さを示すZという2つのパラメータによって指定される強度を持つ。(やはり、Nは整数である必要はない。)

 端末作業負荷は、総個数が一定であるという点でバッチ作用負荷に似ている。実際、考慮時間ゼロの端末作業負荷は、あらゆる点でバッチ作業負荷に等しい。一方、端末作業負荷は、端末作業負荷がゼロでない考慮時間を持つ場合は、中核サブシステム(端末を除いたシステム)での個数が変化するという点でトランザクション作業負荷に似ている。端末作業負荷には上限が存在しないのに対して、Nは端末作業負荷の中核サブシステムでの個数の上限であることに注意しよう。
 トランザクション作業負荷を持つモデルは到着する客の無限の流れを持つので、これをときどきオープン・モデルと呼ぶ。バッチあるいは端末の作業負荷を持つモデルは客が「循環する」のでクローズド・モデルと呼ばれる。この区別は、オープン・モデルを評価するのに用いられるアルゴリズムはクローズド・モデルに用いられるアルゴリズムと異なるために、なされる。それはバッチと端末の作業負荷の間の類似性を強調する。


4.2.2. センターの記述」に続きます。