4.4. 複数クラス・モデル:Quantitative System Performance

4.3.5. 他の出力」の続きです。

4.4. 複数クラス・モデル

4.4.1. 入力


 複数クラス・モデルはC個の客クラスからなり、その各々は自分の負荷強度(\lambda_c、あるいはN_c、あるいはN_cZ_c)と、各々のセンターでの自分の処理要求時間(D_{c,k})を持つ。各々のクラスの内部では、客は区別出来ない。(記号Cを再利用していることに注意。それは第3章では客の完了数を示していた。混乱は起こらない。)
 全くオープン(トランザクション)クラスから成る複数クラス・モデルはオープン・モデルと呼ばれる。全くクローズド(バッチまたは端末)クラスから成るモデルはクローズドと呼ばれる。両方のタイプのクラスから成るモデルはミックスドと呼ばれる。
 複数クラス・モデルの総負荷強度は、各々のクラスの項目を持つベクトルで記述される。もしモデルがオープンならば、\vec{\lambda}\equiv(\lambda_1,\lambda_2,...,\lambda_C)であり、もしそれがクローズドならば、\vec{N}\equiv(N_1,N_2,...,N_C)であり(実際には、端末クラスについてはZ_cもまた含まれなければならない)、もしそれがミックスドならば、\vec{I}\equiv(N_1\text{ or }\lambda_1,N_2\text{ or }\lambda_2,...,N_C\text{ or }\lambda_C)である。
 単一クラス・モデルの場合と同様に、我々はキューイング・センターでのスケジューリング規律を指定しない。おおまかになされる仮定は、スケジューリング規律はクラス独立である、つまり、それは客が属するクラスについての情報を使用しない、というものである。客がセンターにいる時はいつでも厳密に1名の客が処理中になるという前の仮定と一緒にこの仮定を満たす任意のスケジューリング規律から同じ性能尺度が結果として出てくる。
 表4.3は複数クラス・モデルの入力をまとめたものである。単一クラスの場合からの類推によって、D_cを全てのセンターでのクラスc客の総処理要求時間であると定義する。つまり、D_c\equiv\Bigsum_{k=1}^KD_{c,k}

  • 客の記述
    • C客クラスの数
    • 各々のクラスcについて:
      • その負荷強度。以下のうちのひとつ。
        • \lambda_c到着レートトランザクション作業負荷について)
        • N_c個数バッチ作業負荷について)
        • N_cZ_c考慮時間端末作業負荷について)
  • センターの記述
    • Kサービスセンターの数
    • 個々のサービスセンターkについて
      • そのタイプキューイングディレイのいずれか。
  • 処理の記述
    • 個々のクラスcとサービスセンターkについて
      • D_{c,k}\equiv{V_{c,k}}S_{c,k}処理要求時間
  • 表4.3 複数クラス・モデル入力