5.2.漸近的境界：Quantitative System Performance

「5.1.導入」の続きです。（目次はこちら）

5.2.漸近的境界

　漸近的境界解析は、単一クラス待ち行列ネットワークにおけるシステムのスループットと応答時間について楽観的境界と悲観的境界を提供する。その名前が示唆するように、これは軽負荷と重負荷の（漸近的な）極端条件を考察することによって導出される。境界の妥当性は１つの仮定のみに依存している。すなわち、センターでの客の処理要求時間がシステム内に他に何名の客が現在いるか、あるいは、客がどのサービスセンターにいるかに、依存しないという仮定である。
　漸近的境界によって提供される情報のタイプはシステム作業負荷がオープン（トランザクション・タイプ）とクローズド（バッチあるいは端末のタイプ）のいずれであるかに依存する。我々はより単純な場合、つまりトランザクション・タイプ作業負荷の場合から始める。