5.7.演習:Quantitative System Performance

5.6.参考文献」の続きです。(目次はこちら

5.7.演習

  • 1.
    • バッチ・ジョブと端末ユーザの両方を処理するシステムにおいて、30分間に以下の観測がなされた。
      • アクティブ端末:40
      • 考慮時間:20秒
      • 会話応答時間:5秒
      • 1アクセスあたりディスク処理時間:20ミリ秒
      • 1バッチ・ジョブあたりディスク・アクセス数:100
      • 1端末会話あたりディスク・アクセス数:5
      • ディスク稼動率:60%
    • a.
    • b.
      • 上記で与えられた情報だけを用いて、15秒の会話応答時間を達成可能なものとする場合に可能な最大バッチ・スループットを計算せよ。この質問に答えるためにあなたはどのような仮定をしなければならないか?
  • 2.
    • 1台のCPUと2台のディスクを持つ会話型システムについて考察しよう。このシステムを観測することによって以下の測定データが得られた。
      • 観測期間:30分
      • アクティブ端末:30
      • 考慮時間:12秒
      • 完了トランザクション数:1,600
      • 速いディスクのアクセス数:32,000
      • 遅いディスクのアクセス数:12,000
      • CPUビジー時間:1,080秒
      • 速いディスクのビジー時間:400秒
      • 遅いディスクのビジー時間:600秒
    • a.
      • 各センターについて訪問回数(V_k)と1訪問あたり処理時間(S_k)と処理要求時間(D_k)を決定せよ。
    • b.
      • アクティブ端末が5、10、20、40台の場合についてスループット応答時間の楽観的漸近的境界と悲観的漸近的境界を求めよ。
    • システムへの以下の修正を考察せよ。
      • 1:全てのファイルを速いディスクに移す。
      • 2:遅いディスクを別の速いディスクに置き換える。
      • 3:CPUスピードを50%増加させる(ディスクはそのまま)。
      • 4:CPUスピードを50%増加させ、2台の速いディスク間のディスク負荷をバランスさせる。
    • c.
      • 元々のシステムについてと修正1〜4について、アクティブ端末数の関数としてスループット応答時間の楽観的漸近的境界と悲観的漸近的境界のグラフを描け。
    • d.
      • 元々のシステムについてと修正3について、漸近的境界が8秒の平均応答時間の可能性を排除しないような、アクティブに出来る最大端末数を示せ。
    • e.
      • 仮に元々のシステムで40台の端末がアクティブであったとしたら、境界が10秒の平均応答時間の達成可能性を排除しないために はCPUはどれほどスピードアップしなければならなかったであろうか?
    • f.
      • 仮に元々のシステムで80台の端末がアクティブであったとしたら、境界が15秒の平均応答時間の達成可能性を排除しないためには、システムへのどのような最小修正が必要になったであろうか?
  • 3.
    • CPU集中作業負荷を持つ実装が、単一の大きなCPUを持つ集中システムから数個のより小さいCPUを持つ分散システムへの移行を考慮している。
    • a.
      • 大きなプロセッサの1/10のスピードの10個のプロセッサを大きなプロセッサと同じ費用で運用出来るとしよう。そのような変更が明らかに利益があるかあるいは有害であるような条件を調査するために、スループット応答時間の漸近的境界を用いよ。(性能問題のみを考慮せよ。)
    • b.
      • 大きなプロセッサの1/10のスピードの15個のプロセッサが同じ費用で運用出来るとしよう。これはあなたの(a)への回答に どのような影響を与えるか?
  • 4.
    • 3つのサービスセンターがあり、処理要求時間がD_1=5秒、D_2=4秒、D_3=3秒であるモデルを考察しよう。
    • a.
      • バッチ作業負荷を持つこのモデルについて楽観的と悲観的の漸近的、スループット応答時間の境界をグラフに描け。
    • b.
      • 同じグラフの上に、このモデルについてのバランスのとれたシステム境界を追加せよ。
    • c.
      • 性能尺度を制限する可能な値の範囲に関して境界の2つの集合の間の関係はどうであるか? 計算工数に関してそれらの関係はどうであるか?
    • d.
      • 15秒の考慮時間を持つ端末クラスについてあなたの計算を繰り返せ
  • 5.
    • トランザクション作業負荷についてバランスのとれたシステム境界を導く際に導入された諸仮定はシステム・スループットについての漸近的境界を超える改善をもたらさない。つまり、X(\lambda){\le}1/D_{max}のままである。しかし、それらは応答時間境界の 改善をもたらす。この改善のカギは式
      • R(\lambda)=\frac{D_k}{1-U_k(\lambda)}
    • である。
    • a.
      • この式を用いて、全てのセンターでの処理要求時間にD_{min}(楽観的)とD_{max}(悲観的)をセットしたバランスのとれたシステムに基づいた楽観的と悲観的の応答時間境界を導け。
    • b.
      • 元々のシステムにおける処理時間の合計がDであるという事実を用いて改善された境界を導け。(あなたの結果を表5.2と 照合せよ。)
    • c.
      • 処理要求時間が8,4,2秒である3つのサービスセンターを持つシステムについて\lambda_{sat}の値を計算せよ。0と\lambda_{sat}の間の到着レート\lambdaについて、あなたが今導いた応答時間境界の2つの集合を描け。

第6章 ひとつのジョブ・クラスを持つモデル」に続きます。