「7.3.2.作業負荷増加のモデル化」の続きです。(目次はこちら)
7.3.3.マルチプロセシング・システム
考慮している構成は2台のCyber 173システムから成り、それらはプライベート・メモリとディスクのサブシステムと、さらにFederated File System (FFS)をサポートしている1組のシェアード・ディスクを持っている。Cyber systemはローカル作業負荷を処理するためとリモート・サイトからのFFS要求を処理するための両方のために使用された。スタディの目的はシステム作業負荷のバッチ要素の予想される増加の影響を評価することであった。図7.1に使用されたモデルを示す。
モデルのパラメータ値を決定するためにソフトウェア・モニタから得られた測定データを使用した。処理要求時間は5つの作業負荷要素、すなわち、システムA会話型、システムAバッチ、システムB会話型、システムBバッチ、リモート・システムによるFFSアクセス、について計算された。全ての作業負荷要素は最初トランザクション・クラスを用いて、FFS到着をシステムAとBの間で均等に分割して表現された。このモデルの有効性を確認する際の試みはまあまあの精度のスループットと稼動率を示したが、待ち行列長と応答時間については貧弱な見積を示した。平均13ジョブが個々のシステム内で同時にアクティブであることをモデルが予測したのが見られた。しかし、システム制限は、最大5つのメモリ滞在ジョブを許していることが知られていた。このため、個々のシステムのバッチと会話型の作業負荷要素はモデル内でバッチ・タイプのクラスに変換され、それらに測定された多重プログラミング・レベルに一致する負荷強度を持たせた。この変更はほぼ同一のスループットと稼動率と、改善されたデバイス滞在時間見積をもたらしたので、「有効性が確認された」モデルとして採用された。(このスタディは、メモリ制約のあるシステムをスタディする場合にトランザクション・クラスを持つ単純なモデルを用いることにひそむ危険の可能性を指摘している。メモリ制約システムのためのより満足できるモデルは第9章で提示される。)
バッチ作業負荷の増加はモデル内の対応するクラスの作業負荷の増加によって表現され、他のパラメータは変更しないままにした。これらはバッチ・ジョブの評価されたモデル・スループットが予想される提示作業負荷と一致するように調整された。このモデルからの応答時間見積はシステムが増加した作業負荷を処理出来ることの指標として得られた。システムが最大予想バッチ量を処理し、なおも適切な会話応答時間とFFS応答時間を提供することが出来ることをそれは予測した。
「7.4.解法」に続きます。