10.4.1.コントローラ:Quantitative System Performance

10.4. パス要素の追加」の続きです。(目次はこちら

10.4.1. コントローラ


 図10.3はCPUとディスクの間のパス上のコントローラの介在を示している。いくつかのコントローラが1つのチャネルにつながっており、いくつかのディスクが1つのコントローラにつながっている。コントローラに関係する任意のディスクがデータを転送している時にそのコントローラは占有される。

  • 図10.3 コントローラ

 セクション10.3の時のように、我々の目的はディスクkについてのD_kを見積ることである。これはcontention_kを見積もることを要求する。そうするために我々はretries_kを見積らなければならない。これは今度はP_k[reconnect\;fails]を見積もることを要求する。P_k[reconnect\;fails]P_k[path\;busy]に等しい。この数量は以下のように表現出来る。

  • P_k[path\;busy]=P_k[controller\;busy]+
    • P_k[controller\;free\;&channel\;busy]

前のセクションでの導出の類推によって、再コネクト試行時にディスクkがそのコントローラがビジーであるのを見い出す確率は、

  • P_k[controller\;busy]=\frac{U_{ctlr}-U_{ctlr}(k)}{1-U_k(transfer)}

再コネクト試行時にディスクkがそのコントローラがフリーでかつそのチャネルがビジーである確率は

  • P_k[controller\;free\;&\;channel\;busy]
    • =P[controller\;free\;&\;channel\;busy\;|\;disk\;k\;not\;transferring]
    • =\frac{P[controller\;free\;&\;channel\;busy\;&\;disk\;k\;not\;transferring]}{P[disk\;k\;not\;transferring]}
    • =\frac{U_{ch}-U_{ch}(ctlr)}{1-U_k(transfer)}

(我々の以前の記法の一般化において、U_{ch}(ctlr)はディスクkにつなげられたコントローラに関する要求によるチャネルの稼動率である。) 我々の記法をより簡潔にするために、k以外のディスクに関係する要求によるコントローラの稼動率であるU_{ctlr}-U_{ctlr}(k)を、U_{ctlr} (\bar{k})で置き換える。同様に、興味のあるコントローラ以外のコントローラを通る要求によるチャネルの稼動率であるU_{ch}-U_{ch}(ctlr)を、U_{ch}(\bar{ctlr})で置き換える。すると

  • P_k[path\;busy]=\frac{U_{ctlr}(\bar{k})+U_{ch}(\bar{ctlr})}{1-U_k(transfer)}

  • retries_k=\frac{U_{ctlr}(\bar{k})+U_{ch}(\bar{ctlr})}{1-U_{ch}}

を得る。アルゴリズム10.2に類似したやり方で、繰返しによる解を得ることが出来る。


10.4.2.ストリングのヘッド」に続きます。