10.7.1.測定データからのパラメータ値の推定:Quantitative System Performance
「10.7.実施上の配慮」の続きです。(目次はこちら)
10.7.1.測定データからのパラメータ値の推定
我々が提示してきた諸々の技法は以下の情報が入力として提供されていることを要求する。
この情報が与えられているという前提で、これらの技法は各々のディスクでの1訪問あたりの平均競合時間を、よって、1訪問あたりの実効サービス時間、、と実効サービス要求時間、を繰り返して見積もる。
このセクションで我々は、これらのパラメータのいくつかの値が直接には使用可能ではなくて、そのため我々の技法を適用する前に推定されなければならない、ありふれた状況について考察する。必然的に、ディスクの訪問回数と稼動率は測定データから分かる。これらから、実際の1訪問あたり実効サービス時間と実効サービス要求時間を計算することが出来る。実際の実効サービス要求時間は、もしモデルのパラメータ値を決めるのに用いられるならば、この章で説明した技法を使用することなしに素晴らしい結果を生み出すことを我々は知っている。(これらの技法は、実効サービス要求時間の中の競合要素の変化が主要効果になることが予期されているような修正解析を実施するために要求される。) 我々の仕事を見る有意義な仕方は、シーク要素、レイテンシー要素、転送要素がモデルへの入力として(パス構成や訪問回数や回転時間とともに)提供される場合に、我々が開発した技法が、実際の値とだいたい同じである、1訪問あたりの実効サービス時間と実効サービス要求時間を計算するような仕方で、我々が1訪問あたりの実際の実効サービス時間をシーク要素、レイテンシー要素、転送要素、競合要素に分解しなければならないということである。一旦これが達成されたならば、我々は有効性を確認すべきベースライン・モデルを考察し、我々は性能予測のためにそれを用いる準備が出来ることになる。
我々はディスクでの1訪問あたりの実際の実効サービス時間をで、実際の実効サービス要求時間をで表す。以下のように進める。
- を見積もるために、我々はデバイスの特性を参照する。
- を見積もるために我々はチャネルの稼動率と訪問回数を利用する。それらは測定データから容易に利用可能である。これらから、個々のチャネルへの1訪問あたりのサービス時間を得ることが出来る。単一パスの場合、我々はにこの値を設定する(もちろん、適切なチャネルの値を)。マルチパス化の場合は、ディスクからアクセス可能なチャネルの値の平均をとる。測定されたチャネル・サービス時間を元にして を見積もることは重要である。さまざまなパス要素はワイアであるよりもプロセッサであり、オーバヘッドは個々の転送に関係している。ブロックサイズと転送レートを考慮してを見積もることはこのオーバヘッドを無視し、楽観的な値をもたらす。我々の方法を述べる際、我々は特定のチャネル上の全てのディスクのデータ転送サービス要求量は同じであるという均一性の仮定を行った。もしブロックサイズ情報が利用可能ならば調整が可能である。
- を見積るためにデバイス特性を参照することは魅力的である。が、あいにく、この方法は信頼性が低いことで名高い。我々は
- であることを知っている。ここで右辺の数量の全ては既知である。左辺の2つの数量の矛盾のない見積りを得るために、我々は(単一パスの場合について、セクション10.4でのように付け足されて)アルゴリズム10.2かあるいは(マルチパス化の場合について)アルゴリズム10.3のいずれかを用いて待ち行列ネットワークを評価し、その結果に見積もりを決定させる。より具体的には、
さて我々は性能予測のためにモデルを用いる準備が出来た。