11.8.参考文献:Quantitative System Performance

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11.8. 参考文献


 SauerとChandyは、優先度スケジューリングを持つセンターを含む非分離可能モデルを評価するために、フロー等価サービス・センタ−と2センター・モデルの大域バランス解を用いた最初の人々であった [SauerChandy 1975]。彼らはほかのところで非分離可能モデルを評価する他の技法を検討している [Chandy & Sauer 1978; Sauer & Chandy 1980]。
 Bardは最初に、優先度モデルと、異なるクラスがFCFSセンターへの1訪問あたりの平均サービス要求時間を別々に持つモデルの両方を扱うことによって、非分離可能モデルに適用する際のMVAアルゴリズムの柔軟性を示した [Bard 1979]。BardはまたIBMのVM/370 OSで用いられた動的優先度スケジューリングを扱うことが出来るモデル化方法について述べてきた [Bard 1981]。
 セクション11.3で説明したシャドウCPU技法はSevcik [1977]によって開発された。彼の方法は、優先度センターを持つ(非分離可能)モデルの性能の楽観的境界と悲観的境界を提供するために分離可能モデルを特定することを含んでいた。
 高いサービス時間変動をモデル化するためのMVAを基礎とする方法はReiserとLavenberg [1978]によって提案された。その代わりとなる方法は大域バランスとCoxのステージの方法表現に基づいている [Cox 1955]。Coxは、任意のサービス時間分布が、確率的選択を持つ指数分布をもつステージを充分な数だけ用いることにより望むだけ正確に近似出来ることを示した。SevcikとLevyとTripathiとZagorjanは、高変動と低変動の両方の分布についての3パラメータのステージの方法の表現を記述している [Sevcik他 1977]。これらの3パラメータ表現を用いると、任意の部脳の2つの特性値(通常は平均と変動)を一致させることが可能である。Lazowskaは平均とあるパーセンタイル値(例えば 90%値)を一致させることで、平均と変動を一致させるより正確なモデルが得られることを示した [Lazowska 1977]。LazowskaとAddisonは、任意の分布の平均と任意の数のパーセンタイル値を一致させるステージの方法の表現を決定するための技法を提供する [Lazowska & Addison 1979]。
 表11.111.211.3で報告したシミュレーション結果は、IBMのResearch Queueing Packageから得られた [Sauer他 1982]

  • [Bard 1979]
    • Yonathan Bard. 複数クラス待ち行列ネットワーク解析の若干の拡張。In M. Arato, A. Butrimenko, and E. Glenbe (eds.), Performance of Computer Systems. North-Holland, 1979.
  • [Bard 1981]
    • Yonathan Bard. システム・モデル化のための単純な方法。Performance Evaluation 1,3 (November 1981), 225-248
  • [ChandyとSauer 1978]
    • K. Mani ChandyとCharles H. Sauer. コンピュータ・システムの待ち行列ネットワーク・モデルを解析するための近似法。Computing Sueveys 10,3 (September 1978), 281-317.
  • [Cox 1955]
    • D.R. Cox. 確率過程の理論における複雑な確率の使用。Proc. Cambridge Philosophical Society 51 (1955), 313-319.
  • [Lazowska 1977]
    • Edward D. Lazowska. CPUサービス時間分布をモデル化する際のパセンタイル値の使用。In K.M. Chandy and M. Reiser (eds.), Computer Performance. North-Holland, 1977, 53-66.
  • [LazowskaとAddison 1979]
    • Edward D. LazowskaとClifford A. Addison. 相型のサーバのためのパラメータ値選択。In M. Arato, A. Butrimenko, and E. Gelenbe (eds.), Performance of Computer Systems. North-Holland, 1979, 407-420.
  • [ReiserとLavenberg 1978]
    • Martin ReiserとStephen S. Lavenberg. クローズド・マルチチェーン待ち行列ネットワークの平均値解析。Report RC-7023, IBM T.J. Watson Research Center, March 1978.
  • [SauerとChandy 1975]
    • Charles H. SauerとK. Mani Chandy. 中央サーバ・モデルの近似解析。IBM Journal of Research and Development 19,3 (May 1975), 301-313.
  • [SauerとChandy 1980:
    • Charles H. SauerとK. Mani Chandy. 待ち行列モデルの近似解 IEEE Computer 13,4 (April 1980), 25-32.
  • [Sauer他  1982]
    • Charles H. Sauer, Edward A. MacNair, James F. Kurose. Research Queueing Package, バージョン2: 紹介と例。 Report RA 138, IBM T.J. Watson Research Center, 1982.
  • [Sevcik 1977]
    • Kenneth C. Sevcik. コンピュータ・システムの待ち行列ネットワーク・モデルにおける優先度スケジューリング規律。Proc. IFIP Congress '77 (1977), 565-570.
  • [Sevcik他  1977]
    • Kenneth C. Sevcik, Allan I. Levy, Satish K. Tripathi, John Zahorjan. 総体待ち行列ネットワーク・サブシステムの近似の改善。 In K.M. Chandy and M. Reiser (eds.), Computer Performance, North-Holland, 1977, 1-22.


11.9.演習」に続きます。