べき乗減衰の根拠

それにしても「M/G/mの定常状態分布の近似式」の初めで、k{\ge}mの場合に

  • p(k){\approx}b^{k-m}p(m)・・・・・(1)

で近似出来ると仮定することに、すなわちkの増加とともにp(k)がべき乗で減衰する、と仮定することに、何か根拠があるのでしょうか?


大きく胸を張れる根拠を持ち合わせてはいませんが、拡散近似を論じたところで登場した式(「拡散近似(6)」の式(53))

  • p(x)=\frac{2b}{a^2}\exp\left(\frac{2b}{a^2}x\right)・・・・・(2)

がひとつの根拠になっています。このxkを縮小した極限であり、p(x)はこのxに対する確率密度であったので、意味としては式(1)のp(k)に類似しています。それが式(2)ではxの増加とともにべき乗で減衰することを表しています。これが式(1)のp(k)がべき乗で減衰することの根拠の1つです。
 確かに拡散近似は重負荷の時に成り立つ近似です。そうすると軽負荷の時に近似的に(1)が言えるかどうか定かではありません。しかし、軽負荷であればp(k)の値は小さくなるので、(1)のように仮定してもそれほど値に差がでないのです。これが1つの根拠になっています。