13.3.2.メモリ拡張:Quantitative System Performance

13.3.1.CPUのアップグレード」の続きです。( 目次はこちら

13.3.2. メモリ拡張


 追加されたメモリは多くの仕方で割付可能であるので、メモリ拡張の効果を表現するにはそのシステムの運用方針の知識が要求される。
 メモリ追加を利用する最も普通のやり方はさまざまなクラスの中核サブシステム個体数の増加を許すことである。バッチ・クラスについては、パラメータN_cが変更される。トランザクションと端末のクラスについては、メモリ制約が上方修正される。もちろん、要点は、個々のクラスが影響を受ける程度を見積ることである。ある程度、これは実装に依存するチューニング・パラメータのコントロール下にある。少数のよく選択された実験とより小さなメモリ・サイズが運用方針の効果を決定するのを助けることが出来る。スワッピングとページングの動作の変化が生じ得る。これらの副次効果はセクション13.5で検討される。
 作業負荷要素が既存中核サブシステム個体数でより効率的に走ることを可能にするためにもまたメモリ追加を使用出来る。この場合、メモリ・アップグレードの全体効果は可変オーバヘッドの減少として感じられることになるだろう(セクション13.5参照)。
 メモリ追加の3番目の使用法は頻繁にアクセスされるファイルをメモリ内に恒久的に滞在させることである。その例にはシステム・ルーチンやインデックスが含まれる。もし測定データがこれらのファイルの頻繁な使用を示しておれば、ディスク・サービス要求時間を、それらをメモリに固定したことを表す適切な量だけ減少することが出来る。
 最後の例として、メモリ追加は多くのOSが利用しているディスク・キャッシュのサイズを大きくするのに用いることが出来る。少数の異なるキャッシュ・サイズでの実験がディスク・キャッシュ・サイズとディスク・キャッシュ・ヒット(と、よってI/O動作回数)の間の関係を示すであろう。