13.3.3.I/Oサブシステム改造:Quantitative System Performance

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13.3.3.I/Oサブシステム改造


 ディスクの個々の世代は、容量やシーク時間やレイテンシー時間や転送レートといった基本数量によって特徴づけることが出来る。これらの特性値から、あるタイプのディスクを別のタイプに置き換えることによって起こるディスク・サービス要求時間の変化を見積ることが可能である。
 例えば、IBM3350ディスクをIBM3380ディスクに置き換える場合、より速いシークとより高い転送レートのためにサービス要求時間は25%から30%減少する。正確なスピード比はブロック。サイズとシーク。パターンとI/Oサブシステムの競合に左右される。
 この場合に考慮すべき副次効果は、3380の容量は3350の容量の約2倍なので、コンバージョンの作業の一部としてドライブの数を削減する誘惑がある、ということである。その結果起こるシーク・パターンの変化は平均シーク距離を増加させ、サービス要求時間の予測をより難しくする。
 近年、固体ドラムが、I/Oサブシステムの新しい選択肢を提供してきた。これらのデバイスは容量に制限があるが、従来のディスクやドラムよりずっと高速なアクセス(現状で4:1の割合)を提供する。個体ドラムのシステムへの追加をモデル化する際、いくつかのステップが要求される。

  • そのドラムに配置するファイルを特定する。(通常、これらは小さくて、高度にアクティブなファイルであろう。)
  • これらのファイルを削除したディスクにおけるサービス要求時間を削減する。
  • モデルに新しいセンターを追加し、そのディスクから削除されたサービス要求時間の何分の1かをそこのサービス要求時間にセットする。何分の1かはデバイスの相対スピードによって決める。


 ストレージ・デバイスを追加することによるのと同様に、I/Oサブシステムは、チャネルやコントローラの数を増加させることにより、あるいは既存コンポーネント間の接続を変えることにより、アップグレード出来る。この主の変更は、CPUとディスクの間の別のパスを作ることによってI/Oサブシステム内の競合を削減することが期待されるだろう。よって、実効ディスク・サービス要求時間の競合要素は縮小されるだろう。第10章で提案した技法はこの種の修正の効果を評価することを目指している。


13.4.運用方針とシステム・ソフトウェアの変更」に続きます。