13.6.3.ドラムからディスクへのスワッピング動作の移動:Quantitative System Performance

13.6.2.ファイル配置の変更」の続きです。( 目次はこちら

13.6.3.ドラムからディスクへのスワッピング動作の移動


 同じシステムの3番目のスタディはスワッピング動作をドラムからディスクへ移動させることの効果を考察した。ディスクはドラムに比べて使用率が低く、そのより新しい技術とデュアル・チャネル能力がディスクを性能に関して競争出来るようにした。スワッピング動作をディスクに移動させることによって、ドラムは一次データ・セット用に使用され、その短いライフタイムの間に頻繁にアクセスされるであろう。
 ベースライン・モデルを構築する際、I/Oサブシステムの表現におけるさらに詳細が組み込まれた。センターは、2つのデュアル・チャネルを表現するFESCに加えて、個々のディスクを表現するために含まれた。I/Oサービス要求時間のどの要素もディスク・センターとチャネル・センターで重複しないように、ディスク・センターはシーク時間だけを表現し、一方、チャネル・センターはレイテンシーと転送の時間を表現する。この方法は楽観的な結果をもたらす傾向があるので(モデル内で、あるディスクでの1つの客のシーク動作は同じディスクでの別の客のレイテンシーと転送の動作とオーバラップ出来る)、ディスク・センターは、2個以上の客がいる時にサービス・レートが減少するようなFESCとして表現された。
 初めの2つのスタディからの教訓を覚えていたので、提案する修正の主要効果と副次効果の両方を調査するための考察が与えられた。スワッピングのドラムからディスクへの移動を反映するためにベースライン・モデルのパラメータを調整するのに使用したパラメータは繰返しの性質を持っていた。

  • 最初、スワッピング動作のレベルが修正後、変化しないと仮定する。
  • OSが一時ファイルをより速いディバイスに配置する傾向があることを認識して、全てのスワッピング活動をディスクへ移動させることの結果であるような、ドラムとディスクでの訪問回数を見積る。
  • 個々のデバイス上に配置しているファイルと、ファイルへの相対アクセス頻度と、個々のファイルの平均転送サイズを認識して、ドラムを表現しているセンターでのサービス要求時間と、ディスクとデュアル・チャネルを表現しているFESCでのサービス・レートを調整する。
  • モデルを評価する。
  • 修正の結果得られるスワッピング動作のレベルの変化を見積るために、スループットとマルチプログラミング・レベルとスワッピング動作の間の経験的に導かれた関係を用いる。
  • 収束が達成されるまで、2番目のステップに戻って繰り返す。

 先の2つのケーススタディでのように、システムへの変更は実装され、ベンチマークがもう一度走らされた。表13.3は結果を示している。この結果は役に立つほど正確な性能予測を生みだすことに成功していた。

  • 表13.3 ドラムからディスクへのスワッピング動作の移動


13.7.まとめ」に続きます。