14.3.1.方法:Quantitative System Performance

14.3.一般的枠組み」の続きです。( 目次はこちら

14.3.1. 方法


 性能は1つのグループの領域ではない。よって性能予測は当該ユーザやソフトウェア設計者やソフトウェア実装者、構成計画者、性能分析者といったグループからの代表からなるチームの環境において最もよく実行される。ソフトウェア・エンジニアリングの類似によって、そのチームはその仕事を提案する設計の性能ウォークスルーを行うことによって始めるだろう。通常のウォークスルーは以下のステップから成る。

  • 当該ユーザはシステムの使用の予想されるパターンを記述する。待ち行列ネットワーク・モデル化の用語では、彼らは作業負荷要素と、さまざまな要素の負荷強度を特定する。
  • ソフトウェア設計者は、作業負荷要素の選ばれた部分集合について、個々の要素を処理する際に追跡される、システムのソフトウェア・モジュールを通るパス(道)を、つまり、どのモジュールがどれだけの頻度で呼び出されるか、を特定する。
  • ソフトウェア実装者は個々のモジュールのリソース要求量をシステムに独立な用語で、つまりソフトウェア・パス長やI/O量などで特定する。
  • 構成計画者はこれらのシステム独立なリソース要求量を構成に依存する用語に翻訳する。
  • 性能分析者はこの過程の結果を総合し、システムの待ち行列ネットワーク・モデルを構築する。


性能分析が追加の情報を探す時に、そして設計が進展する時に、そして解析の結果が心配のある特定の領域を示す時に、この過程のさまざまな部分が繰り返される。この方法を具体化した任意のツールの重要な局面はこの種の繰返しとその後の改良を提供するサポートである。
 今、概説した事項が、待ち行列ネットワーク・モデルの入力を得るための組織だった方法であり、提案するシステムの評価だけでなく任意のモデル化スタディにおいて価値のある方法であることは明確であるべきである。(例えば、セクション2.4でのケーススタディを参照。)
 この方法はさまざまな「利害関係者」の間の意味のあるコミュニケーションを強いるので、ソフトウェア・プロジェクトのマネジメントにおいて価値のある補助であり得る。


14.3.2.例」に続きます。