16.3.3.予想される変化の反映(2):Quantitative System Performance

16.3.3.予想される変化の反映(1)」の続きです。(目次はこちら

 2つのディスクのストリングが2つのコントローラを通してメモリと接続出来、これらのコントローラは2つのチャネルを通して接続出来るものとする。この接続方式は我々が論理的チャネルと呼ぶものから成り、我々の詳細モデル内に表現されなければならない。MAP内で論理的チャネルを定義する前に、基本要素が以下のように作成されなければならない。

CHANEL CH1 (チャネル1を定義する)
CHANEL CH2 (チャネル2を定義する)

CONTROLLER CTLA (コントローラを定義する)
CONTROLLER CTLB (もう一つのコントローラを定義する)

今度は論理的チャネルを定義することが出来る。

LCHANNEL LCH (論理的チャネルを定義する。MAPはこれからパス記述のためにプロンプトを出す。)
CHANNEL: (このパスのヘッドのチャネルのためのMAPのプロンプト)
  CH1 (ユーザが指定)
CONTROLLER: (このパス上のコントローラのためのプロンプト)
  CTLA (ユーザ)
CONTROLLER: (このパス上のもう一つのコントローラのためのプロンプト)
  CTLB (ユーザ)
CONTROLLER: (プロンプト)
(ユーザのnullラインはコントローラ・リストの終わりを示す)
CHANNEL: (ヘッドへのもう一つのチャネルのためのプロンプト)
  CH2 (パスのもう一つのセット)
CONTROLLER:
  CTLA
CONTROLLER:
  CTLB
CONTROLLER:
(ユーザのnullライン、コントローラ・リストの終わり)
CHANNEL:
(ユーザのnullライン、チャネル・リストの終わり)

ディスクはストリングと呼ばれるセットにグループ分けされ、同じストリング上の全てのディスクはI/Oパスの同じセット(つまり、同じ論理的チャネル)に対してアクセス可能である。この時点で、ストリングと関連情報は以下のように定義されなければならない。

STRING STR1 (ストリングを作成する)
ONLCHANNEL LCH (それによってストリング上のディスクがアクセス可能になるところのパスをMAPに通知する)
STRING STR2 (もうひとつのストリングを作成する)
ONLCHANNEL LCH (パスLCH上にSTR2を置く)
CENTER SYS001 ONSTRING STR1 (ストリングSTR1上にSYS001を置く)



 コントローラのシステムへの追加をモデル化するために、新しいコントローラに影響を受ける論理的チャネルは、それを含むように再定義され、モデルが再評価される。MAPは自動的に、パス競合の新しい量を評価し、ディスク・サービス要求時間を変えるためにこれを用いる。
 チャネルとストリングの追加やストリング間でのディスクの移動のような他の変更も似たようにしてモデル化出来る。


ソフトウェア
 ソウトウェア変更という言葉で、固有の作業負荷要求時間の変化ではなく、システムの運用方針や諸パラメータの変更を意味することにする。一例として、あるディスクでアクセスの1/3の責任があるような一群のTSOファイルを、そのディスクから別のディスクに移すことによってリソース使用のバランスを取る試みを考察しよう。これはMAPでは

CLASS TSO MOVE .33 SYS001 SYSTEMO

を用いて表現出来る。
 新しいPLEVELの値を

CLASS TSO PLEVEL 2 (TSOの優先度を下げる)
CLASS PRODUCTION PLEVEL 3 (PRODUCTIONにTSOより高い優先度を与える)

のように指定することによって簡単にCPUでの優先スケジューリングの構造を変更することが出来る。今やPRODUCTIONはCPUでTSOに優先する。

 限りないバリエーションが可能であるがモデルの構築や修正の本質は明白でなければならない。ここで示されたユーザとパッケージの間のやり取りは性能予測スタディに含まれるやり取りの典型である。そのようなスタディの通常の目標は、新しい作業負荷と構成の下での既存システムの性能を見積ることである。この活動をサポートするために、ソフトウェアは解析者が簡単にクラスやセンターやドメインやサービス要求時間を修正することを可能にする。ソフトウェアがデバイス固有のそしてシステム固有の情報を表現する能力は特に好都合である。広い範囲の選択肢を迅速に対話形式で調査することが出来る。


16.4.まとめ」に続きます。