17.4.客の記述:Quantitative System Performance

17.3.RMFレポートの概要(2)」の続きです。(目次はこちら

17.4.客の記述


 第12章ではモデル内の客クラスの特定は主に、性能に関して区別される作業負荷要素に基づいているということを示した。MVSシステムの待ち行列ネットワーク・モデルでは、客クラスは時には単一の性能グループを、時には1つの性能グループの単一の性能期間を、時にはいくつかの性能グループのまとまりを表す。例えば、TSO性能グループは1つのクラスに直接対応するか、あるいは個々のTSO性能期間は別々のクラスとして表現される(例えば、trivialなTSOトランザクション応答時間を報告出来るようにするために)。実務バッチとテスト・バッチに対応する性能グループは単一クラスにまとめられるだろう。
 若干の性能グループはさまざまな開始タスクに対応する。いくつかの開始タスクは顕著な作業負荷要素(例、CICS、IMS Control Region, IMS Message Processing Region)であり、モデル内に客クラスとして表現されるべきである。その他はシステム・オーバヘッドとして扱うことが出来る(例、JES, RMF, TCAM)。これらの「オーバヘッド」性能グループのリソース使用量はモデルの客クラス全体に渡って注意深く分配されなければならない。
 ある客クラスが2つ以上の性能グループに対応する場合、Workload Activity Reportの統計はまとめられなければならない。大部分の数量については、まとめは関係する性能グループに渡る加算を引き起こす。しかし、性能グループ全体ではなく単一のトランザクションを参照しているような数量(AVG ABS RATEとAVG TRANS TIMEは表17.1dにおける2つの例である)については、スループットで重みづけした平均が計算されなければならない。例えば、

  • AVG\underline{\;}TRANS\underline{\;}TIME_{AGG}=
    • \frac{\Bigsum_{g\in{G}}\left[ENDED\underline{\;}TRANSACTS_g{\times}AVG\underline{\;}TRANS\underline{\;}TIME_g\right]}{\Bigsum_{g\in{G}}ENDED\underline{\;}TRANSACTS_g}

ただしGはこの客クラスに対応する性能グループの集合である。この章ののこりで我々はWorkload Activity Reportのデータ項目のそのようなまとめが、必要に応じて実行されているものと仮定する。
 一旦クラスが特定され性能グループと関連付けられたならば、次の作業は個々のクラスのタイプ(トランザクション、バッチ、端末)と負荷強度の指定である。クラスのタイプを選択するための一般的なガイドライン第12章で与えられた。RMFはTSOを(例えば、平均アクティブ端末数を提供する際に)特別に扱う。よって、TSOは端末クラスとして表現出来る。他のもの(例えば、サブシステム専用モニタ)からの情報なしに、他の全てのクラスはバッチ(もしアクティブ・タクスの数が判明しているならば)かあるいはトランザクション(たぶん、同時にアクティブである客の数を制限するメモリ制約が存在する)のいずれかとして扱われなければならない。
 負荷強度パラメータの値は表17.2で示唆したようにRMFデータ項目から、CPU Activity ReportとWorkload Activity Reportからのデータ項目を用いて計算出来る。トランザクション・クラスについては、計算は、スループットが到着レートに等しいという仮定に基づいている。バッチ・タイプ・クラス用に示した公式は主メモリに滞在する準備完了要求の数の平均値を見積る。(セクション17.3で記したように、RMFデータ項目、AVG TRANSACTSは非滞在準備完了要求を含む。) この公式はこの章で示す他の公式より信頼度が低く、現在アクティブである「コントロールのスレッド」の実際の数をかなり過大に見積る結果をしばしばもたらすことが知られている。これは「較正」が適切である一つの例である。実務上しばしば用いられる1つの方法は作業負荷を最初トランザクション・クラスとして表現し、その到着レートをENDED_TRANSACTS / INTERVALであると計算することである。モデルが1回評価されたのち、作業負荷は、その個体数がこの最初の評価の出力から決定されるバッチ・クラスに変換することが出来る。

トランザクション

  • \lambda=ENED_TRANSACTS / INTERVAL

バッチ

  • \frac{PER\underline{\;}SEC\underline{\;}INTERVAL\underline{\;}SERVICE}{AVG\underline{\;}ABS\underline{\;}RATE}
    • サービス・デリバリの総レート/1アクティブ・ジョブあたりのサービス・デリバリ・レート

端末(TSOのみ)

表17.2 負荷強度パラメータ値の計算

:作業負荷要素の特定

  • (IPSと表17.1のWorkload Activity Reportから)
  • 我々は性能グループ0をオーバヘッドとして扱うことを選択する。それはクラスとしては表現されない。そのリソース消費はユーザ・クラスの間で分配される。

:負荷強度計算

TSOはキャパシティ8のドメインに関連付けられている。

17.5.センターの記述」に続きます。