アーラン分布の再生性
ある分布の集合に属する2つの確率密度分布を持つ互いに独立な確率変数、を考えた時に、確率変数の確率密度分布が同じ分布に属する場合、その分布は再生性を持つ、と言います。
ここでは、同じを持つアーラン分布が再生性を持つことを示します。つまり、アーラン分布を持つ確率変数と、アーラン分布を持つ確率変数を考え、とが互いに独立であるとすると、で定義される確率変数もアーラン分布の形の分布を持つ、ということを示します。
「アーラン分布」で示したように、は平均の指数分布を持つ独立な確率変数を個を足した確率変数
の持つ分布と考えることが出来ます。同様に、は平均の指数分布を持つ独立な確率変数を個を足した確率変数
の持つ分布と考えることが出来ます。
とが互いに独立であるとすると、任意のとについてとが独立でなければなりません。
はと考えることが出来、はと考えることが出来るので、はと考えることが出来ます。さらには平均の指数分布を持つ独立な確率変数を個を足したもの、は平均の指数分布を持つ独立な確率変数を個を足したもの、と考えられるので、そして任意のとについてとが独立だから、それらすべては互いに独立な確率変数であるので、は平均の指数分布を持つ独立な確率変数を個足したものと考えることが出来ます。よって、の確率密度分布はの形のアーラン分布になります。
これで同じを持つアーラン分布の集合が再生性を持つことを証明することが出来ました。