不定個の同一分布独立確率変数の和の平均
同じ分布を持つ独立な確率変数が個あり、それらを(ただし)で表すことにします。これらの確率変数の和を考え、それをで表します。つまり
- ・・・・(1)
です。が固定の値である場合、の平均を求めることは、「同一の確率分布を持つ独立な複数の確率変数の和の変動係数」に示すようにすれば出来ます。すなわち
- ・・・・(2)
です。ただしはの平均であって
- ・・・・・・・・・(3)
です。
難しいのは、自身が確率変数の場合です。この場合にを求めることを考えてみましょう。ただし、一般の場合を考えるのは難しいので、がと独立である場合について考えます。
である確率をで表すことにします。という条件におけるは、式(2)から
- ・・・・(4)
になります。ここでよく考えると式(4)のはという条件における値ですから、の値の関数になっています。さらには確率変数ですから式(4)のもまた確率変数です。そのことを表すためにと表すことにします。すると式(4)はより正確には
- ・・・・(5)
と書くべきであることが分かります。求めるべきはの平均値と考えることが出来ます。つまり
- ・・・・(6)
(この式が成り立つことをもう少し詳しく説明したものを「条件付き期待値の定理」に載せました。) この式(6)の右辺は
と書くことが出来ます。よって
よって
- ・・・・(7)
となります。