リー・ロントンの近似式を根拠づける試み(3)
それでは「リー・ロントンの近似式を根拠づける試み(2)」で私が導き出したM/D/2の平均待ち時間についての近似式
- ・・・・(8)
- ・・・・(10)
のどちらが精度が高いか調べてみます。
幸い、逆瀬川氏の重要な論文
- An approximation formula (近似公式)
にの時のM/D/2の待ち行列長の計算結果が載っていました。(「逆瀬川氏の近似式の論文の和訳(3)」の「表3.4 の時の待ち行列のと」参照) これによると平均待ち行列長はでした。では、式(8)と(10)からそれぞれを計算してみます。
リトルの法則から
- ・・・・(12)
なので(今回の場合、装置が2台なのでスループットはになります)
式(12)に式(8)を代入すると
- ・・・・(13)
一方、式(12)に式(10)を代入すると
- ・・・・(14)
式(13)と式(14)にを代入して計算すると、私の近似式からは
リー・ロントンの近似式からは
という結果が出て、リー・ロントンの近似式のほうが真の値に近いようです。
「リー・ロントンの近似式を根拠づける試み(4)」に続きます。