天火明命(あめのほあかりのみこと)(1)
私は尾張(愛知県西部)に生まれ育ったので、そこの神様には興味があります。尾張にはあまり神話のようなものは残っていないのですが、その痕跡をさぐってみたいと、何十年も前に思っていました。それほどうまく探し当てたわけではありませんが、自分が探ってみたことを書き残しておこうと思います。
古代の尾張の豪族といえば、尾張氏(尾張連:おわりのむらじ)です。尾張氏の祖先神とされるのが天火明命(あめのほあかりのみこと)です。まずは、古事記と日本書紀から天火明について書かれた個所をまず、調べてみます。
古事記から
ここにその太子(ひつぎのみこ)正勝吾勝勝速日天の忍穂耳(まさかあかつかちはやひあめのおしほみみ)の命(みこと)答へ白(もう)さく、「僕(あ)は、降りなむ装束(よそい)せし間(ほど)に、子生(あ)れましつ。名は天邇岐志国邇岐志天つ日高日子番の邇邇芸(あめにきしくににきしあまつひこひこほのににぎ)の命、この子を降すべし」とまをしたまひき。この御子は、高木の神の女(むすめ)万幡豊秋津師比売(よろづはたとよあきつしひめ)の命に御合(みあい)して生みませる子、天の火明の命、次に日子番の邇邇芸の命にます。
ここでは、天皇家の祖先である日子番の邇邇芸の命の兄として天の火明の命が登場します。
次は日本書紀から引用したいところですが、上の古事記の引用のところで珍しい漢字を出すのや、ふりがなを付けるのに疲れてしまいました。そこで日本書紀については、概要だけを示します。
- 神代下、本文では、
- 第一の一書には、記述がありません。
- 第二の一書には
- ニニギの命の子として、火酢芹(ほすせり)、火明(ほあかり)、彦火火出見(ひこほほでみ)(またの号は火折(ほおり))の順に。
- 第三の一書には
- ニニギの命の子として、火明(ほあかり)、火進(ほすすみ)、火折彦火火出見(ほおりひこほほでみ)の順に。
- 第四の一書には、記述がありません。
- 第五の一書には
- ニニギの命の子として、火明(ほあかり)、火進(ほすすみ)、火折(ほおり)、彦火火出見(ほおりひこほほでみ)の順に。
- 第六の一書には
- 第七の一書には
- アメノキセの命の子として、火明(ほあかり)、火夜織(ほより)、彦火火出見(ほおりひこほほでみ)の順に。
- 第八の一書には