GI/G/s待ち行列の定常状態分布を求めて(4)

以下はおまけです。
さて、D/D/3で得た結論を、D/D/sの場合に拡張することは、「GI/G/s待ち行列の定常状態分布を求めて(3)」と同じように考えていけば容易です。その結果、式(20)を拡張した

  • \Omega_{D/D/s}=\max(su-s+1,0)・・・・(21)

を得ることが出来ます。
式(21)を用いてs=2の場合とs=10の場合について\Omega_{D/D/s}\Pi_{M/M/s}を比較してみました。

  • u=2の場合
  • s=10の場合


これらのグラフから、sの値が小さくても大きくても\Omega_{D/D/s}\Pi_{M/M/s}で近似するのは無理そうだと分かります。
これはがっかりする結論です。つまり、GI/G/s待ち行列の平均待ち時間の近似式

  • CT_q(GI/G/s)\approx\frac{c_a^2+c_e^2}{2}\frac{\Pi_{M/M/s}}{s(1-u)}t_e

を根拠づけることに失敗してしまうからです。