長年の疑問が解けた!
「GI/G/s待ち行列の平均待ち時間の近似式(11)」で出した結論、つまり、GI/G/s待ち行列の平均待ち時間の式(ちなみにGI/G/s待ち行列とは一般の待ち行列のこと)
- ・・・・(1)
は、私が長年、追い求めていた結論です。これは古典力学におけるニュートンの方程式のように(というのは大げさか)工場統計力学の基礎公式になるものです。
自分のブログを調べてみると少なくとも2007年2月1日のエントリー「Kingmanの近似式とその拡張」を書いた時にこの式の導出方法をあれこれ考え始めていました。ちょっと、式(1)とは異なった書き方をしていますが、その時はこのように書きました。
- (2)は式(1)(Kingmanの近似式)とM/M/1の時の式(3)を見比べて、さらに(3)と逆瀬川の近似式(6)とを見比べて類推したものです。Factory Physicsはその類推を正当化する記述をしていません。
「Factory Physicsはその類推を正当化する記述をしていません。」というところに、当時の私の不満が表現されています。さて、上の引用では「(2)は」とか「式(1)」とか書いてあるので、それらの式についての記述も引用しておきます。
- ところがFactory Physicsでは、このGI/G/mの待ち行列の待ち時間を算出する近似式としてKingmanの式というものと、その拡張を載せています。Kingmanの式とはGI/G/1の場合のための近似式で、以下のものです。
- ・・・・(1)
- (導出方法については「Kingmanの近似式の導出」を参照)
さらにそれをm台装置がある場合に拡張した式として(すなわちGI/G/mの場合の近似式として)Factory Physicsでは
- ・・・・(2)
- という式を紹介しています。
- M/M/1では
- ・・・・(3)
- ところが、世の中には逆瀬川氏(早稲田大学教授http://www.sakasega.mgmt.waseda.ac.jp/)の提案になる近似式というものがあるということをFactory Physicsは紹介していました。それが
- ・・・・(6)
- です。
今回、私が何とか綱渡りで(厳密な証明ではありませんが)結論に達した式(1)は引用中の式(2)にあたるものです。ただ、式(2)には利点があって、それは冒頭の式(1)に比べて計算がし易いという点です。その利点を取り込むことについてはまた、別のエントリーで検討しようと思っています。
今日のこのエントリーは、技術的な記述ではなく、単に「長年(4年以上)の疑問が解けたよお!」という私の雄叫びをお伝えする目的のエントリーでした。石の上にも4年ですね。