GI/G/s待ち行列の平均待ち時間の近似式(13)

私が求めた近似式

  • CT_q(GI/G/s)\approx\frac{c_a^2+c_e^2[c_a^2(1-u)+u]}{2}\frac{u^{\sqrt{2(s+1)}-1}}{2s(1-u)}t_e・・・・(4)

と、Factory Physicsが提示する式

  • CT_q(GI/G/s)\approx\frac{c_a^2+c_e^2}{2}\frac{u^{\sqrt{2(s+1)}-1}}{s(1-u)}t_e・・・・(8)

との比較をしておきます。これらの式をD/M/sに適用した場合、両者の式は

  • CT_q(D/M/s)\approx\frac{u^{\sqrt{2(s+1)}}}{2s(1-u)}t_e・・・・(9)

  • CT_q(D/M/s)\approx\frac{u^{\sqrt{2(s+1)}-1}}{2s(1-u)}t_e・・・・(10)

になります。両者のCT_q/t_es=1,2,3,10の時に比較すると以下のグラフになります。以下のグラフで「近似1」が式(10)による近似値を、「近似2」が式(9)による近似値を表しています。

  • s=1
  • s=2
  • s=3
  • s=10

ここからsの値が大きくなると、私が求めた近似式はFactory Physicsが提示する近似式に極めて近づくことが分かります。この理由を考えてみましょう。sが大きくなると、CT_qの値が目立ってくるのはuが1に近い値の時だけになります。sが大きくなればなるほどこの傾向は強くなります。そうすると、uが小さいときは式(4)も(8)もともにゼロに近い値となり近づきます。さらに、式(4)のなかの

  • c_e^2[c_a^2(1-u)+u]

u\rightar{1}

  • c_e^2[c_a^2(1-u)+u]\rightar{c_e^2}

になるため、uの値が1に近い場合も式(4)の値は式(1)の値に近づきます。よって、uの値に関わらず、両者のCT_qは近づくことになります。