加努弥(かぬみ)神社

震災復興祈願の神社めぐりを再開しました。


加努弥(かぬみ)神社です。





日本の神道の大きな基盤は稲作だと思います。





ここの神社には拝殿がありません。塀のすき間から覗いてみると、石の台があるだけです。
何もないところに何かを感じる感性、が好きです。

田んぼにただずむ白鷺たちを見ると、昔、祖母が買ってくれた子供向けの日本神話の本に出てくる短い物語を思い出します。母が幼い私に枕元で読んでくれたのでした。

古老の言へらく、イクメの天皇(=垂仁天皇)のみ世、白鳥(しろとり)ありて、天(あめ)より飛び来たり、乙女となりて、夕べに上り朝に下る。石をひろいて池を造り、その堤を築かむとして、いたづらに日月を積みて、築きては壊(こ)えて、え成さざりき。乙女ら、

しろとりの はがつづみを
つつむとも
あらふ・ましろき・はこえ

かく口々に歌いて、天(あめ)に上りて、また降り来ざりき。


常陸国風土記より

この白鳥たちが歌った歌の3行目は学者でも意味がよくわからないらしいです。岩波の日本古典文学大系では、「粗斑・ま白き・羽壊え」と読んで「斑入りの羽根、真っ白な羽根が壊れて」と解しています。