「時間平均で装置が全てふさがっている確率」の続きです。任意のジョブ到着間隔分布と、任意の処理時間分布を持つ待ち行列について、ジョブ到着時に、全ての装置がふさがっているのを到着したジョブが見ることになる確率、言い換えれば、到着したジョブが何らかの時間待たなければならなくなる確率については、近似値を求めることも出来ませんでした。そこで待ち行列に制約を課して論じます。
もし到着間隔分布が指数分布であるならば、すなわちM/G/s待ち行列であれば、PASTAを使用することが出来て
- ・・・・(23)
をいうことが出来ます。この式と「時間平均で装置が全てふさがっている確率」の式(21)
- ・・・・(21)
を用いれば
- ・・・・(24)
を得ることが出来ます。あるいは代わりに「時間平均で装置が全てふさがっている確率」の式(22)
- ・・・・(22)
を用いれば、式(24)よりは精度が悪くなるが計算が簡単になる式
- ・・・・(25)
を得ることが出来ます。
もし処理時間分布が指数分布であるならば、すなわちGI/M/s待ち行列であれば、
- ・・・・(26)
となります。ただし
- ・・・・(27)
です。あるいは式(26)より精度は悪くなるが計算が簡単になる式として
- ・・・・(28)
があります。
到着間隔分布も処理時間分布も指数分布ではない場合については近似式を得ることが出来ませんでした。
- しかし、ちょっと待て。式(26)(27)はM/G/sの場合も成り立っているではないだろうか? だとすれば到着間隔分布も処理時間分布も指数分布ではない場合についても式(26)(27)は近似式として成り立つ可能性があるのではないだろうか?・・・・・・