「待ち行列システムGI/G/1における待ちについての近似公式」の内容検討(11)

「待ち行列システムGI/G/1における待ちについての近似公式」の内容検討(10)」のつづきです。
一方、待ち確率bについてのKraemer・Lagenbach-Belzの近似式

  • b=u+(c_a^2-1)u(1-u)h(u,c_a^2,c_e^2)・・・・(11)
    • ただし
    • c_a^2{\le}1の時
      • h(u,c_a^2,c_e^2)=\frac{1+ac_a^2+bc_e^2}{1-u+cc_a^2+dc_e^2}・・・・(12-1)
    • c_a^2>1
      • h(u,c_a^2,c_e^2)=\frac{4u}{c_a^2+u^2(4c_a^2+c_e^2)}・・・・(12-2)

の精度についてはすでに「「待ち行列システムGI/G/1における待ちについての近似公式」の内容検討(6)」「(7)」「(8)」で検討しました。その結果はc_a>1の場合は明らかにKraemer・Lagenbach-Belzの近似式のほうが精度がよい、というものでしたが、c_a<1の場合についてはKraemer・Lagenbach-Belzの近似式と私の近似式の精度はほぼ同等というものでした。c_a<1の場合についてグラフではなく数値を比較することでその精度をもう少し詳しく比較してみたいと思います。


まず、D/M/1の場合のbの値です。真の値との誤差を調べるために差の2乗の平均を求めてみました。

これを見るとKraemer・Lagenbach-Belzの近似式のほうが私の近似式よりわずかに精度がよさそうです。


次にE2/M/1の場合のbの値を比較してみました。

今度は私の近似式のほうがわずかに精度がよさそうです。


ということでc_a<1の場合のKraemer・Lagenbach-Belzの近似式と私の近似式の精度はやはりほぼ同等ということになります。