GI/G/sのΠとΩの比(2)

GI/G/sのΠとΩの比(1)」の続きです。
次に到着間隔の2乗平均値E(T^2;s)を計算します。

  • E(T^2;s)=\Bigint_0^{\infty}t^2g(t:s)dt=\Bigint_0^{\infty}t^2sg(st:1)dt=\frac{1}{s^2}\Bigint_0^{\infty}\tau^2g(\tau)d\tau
    • =\frac{1}{s^2}E(T^2;1)

よって

  • E(T^2;s)=\frac{1}{s^2}E(T^2;1)・・・・(13)

次に到着間隔の分散V(T;s)を計算します。

  • V(T;s)=E(T^2;s)-E(T;s)^2・・・・(14)

ここで「GI/G/sのΠとΩの比(1)」の式(11)

  • u=\frac{t_e}{sE(T;s)}・・・・(11)

と上の式(13)を式(14)に代入すれば

  • V(T;s)=\frac{1}{s^2}E(T^2;1)-\frac{1}{s^2}E(T;s)^2=\frac{1}{s^2}\left[E(T^2;1)-E(T;1)^2\right]=\frac{1}{s^2}V(T;1)

よって

  • V(T;s)=\frac{1}{s^2}V(T;1)・・・・(15)

ここから到着間隔の標準偏差STD(T;s)

  • STD(T;s)=\frac{1}{s}STD(T;1)・・・・(16)

となります。到着間隔の変動係数c_a(s)は、式(11)(16)から

  • c_a(s)=\frac{STD(T;s)}{E(T;s)}=\frac{STD(T;1)}{E(T;1)}=c_a(1)

よって

  • c_a(s)=c_a(1)・・・・(17)

つまり、「GI/G/sのΠとΩの比(1)」の式(2)

  • g(t;s)=sg(st;1)・・・・(2)

のようにsの変化につれて到着間隔分布を変化させるのは、到着間隔の変動係数c_aを一定に保つ変化です。
まとめると、装置の処理時間の分布を一定にして装置台数sを変化させる場合、到着間隔分布を式(2)のように変化させるのは装置稼働率uと到着間隔の変動係数c_aを一定に保つような変形である、ということです。