GI/G/s待ち行列の平均待ち時間

GI/G/s待ち行列の待ち時間の分布の近似式の再考(2)」までに来て、私は煮詰まってしまいました。せめて

  • L_q(GI/G/s){\approx}\frac{\Omega(GI/G/s)}{u}L_q(GI/G/1)

だけでも証明したいと思っています。これはGI/M/1の場合には証明出来ます。すなわち

  • L_q(GI/M/s)=\frac{\Omega(GI/M/s)}{u}L_q(GI/M/1)

です。この証明は「GI/M/s待ち行列の平均待ち時間」を参照下さい。


しかし

  • L_q(M/G/s){\approx}\frac{\Omega(M/G/s)}{u}L_q(M/G/1)

は、証明出来ません。ただし、uが1に近い場合、拡散近似が使えそうな気がします。これはGI/G/sのの場合も使えそうです。ただ、どうすればうまくいくのかよく分かりません。
さて、かりに

  • L_q(GI/G/s){\approx}\frac{\Omega(GI/G/s)}{u}L_q(GI/G/1)

が証明出来たとすると、リトルの法則から

  • CT_q(GI/G/s)\frac{su}{t_e}\approx\frac{\Omega(GI/G/s)}{u}CT_q(GI/G/1)\frac{u}{t_e}

となり、

  • CT_q(GI/G/s)\approx\frac{\Omega(GI/G/s)}{su}CT_q(GI/G/1)

となります。ここで、一般には精度の悪い近似ですが

  • \Omega(GI/G/s){\approx}\Omega(M/M/s)=\Pi(M/M/s)

で近似すると

  • CT_q(GI/G/s)\approx\frac{\Pi(M/M/s)}{su}CT_q(GI/G/1)

ここで

  • CT_q(GI/G/1)\approx{A}\cdot{CT}_q(M/M/1)=\frac{Au}{1-u}

と近似すれば

  • CT_q(GI/G/s)\approx\frac{\Pi(M/M/s)}{su}\cdot\frac{Au}{1-u}t_e=A\frac{\Pi(M/M/s)}{s(1-u)}t_e=A\cdot{CT_q}(M/M/s)

と近似出来ます。