Whitt教授の「Approxomations for the GI/G/m queue」の翻訳(4)

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 GI/G/mモデルでの待ち分布についての私の近似はWhitt (1983a,セクション5.1)の中の単一サーバ待ち行列と本質的に同じであり、期待待ち時間と待ち確率についての新しい近似を追加した。私のアイディアはゼロでの特定された確率量(待ちなしの確率)を割り当て、条件待ちの最初の2モーメントに2つの指数分布の混合あるいは畳込みをフィットさせることによってサーバがビジーであるとした条件待ちの密度を近似することである。これは、実際の分布はしばしば近似的にこの形を持つのでうまくいく傾向がある。GI/G/m待ち行列システムは平滑化演算として記述することが出来る。つまり記述的特性(待ち分布など)は内在する到着間隔時間とサービス時間の分布よりもよく(より規則的に、つまり指数分布により近く)振舞う傾向がある。よって、待ち行列の振舞いは部分的情報(\rho,c_a^2,c_s^2,m)が与えられると思いのほかうまく記述出来る。
 定常状態分布を近似する別の方法(セクション4.2に短く議論している)は漸近法を用いた単純な指数近似である。つまり、定常状態待ち時間裾野確率P(W>x)\alpha{e}^{-\eta{x}}で近似する。ただし\eta\alphax\rightar\inftye^{\eta{x}}P(W>x)\rightar\alphaの極限から決定される。パラメータ\eta\alphaはそれぞれ漸近待ちレート漸近定数と呼ばれる。Abate, Choudhury, Whitt (1994a, 1994b, 1994c)、AbateとWhitt (1994)、ChoudhuryとWhitt (1994)は漸近法に基づいたGI/G/mモデル内の定常状態分布の指数近似を議論している。主要な量は漸近待ちレート\etaであり、これは一般に基本4つ組(\rho,c_a^2,c_s^2,m)非常に依存する。しかし、ここでの私の近似は漸近定数\alphaの便利な近似を提供することにより漸近法に非常に寄与する。Abate, Choudhury, Whitt (1994a)は\alpha\eta{E}Wで近似することを提案している。私は条件待ち時間裾野確率P(W>x|W>0)に焦点を合わせ、\alpha\eta{E}W/P(W>0)で近似する。私はEWP(W>0)の便利な近似を記述する。
 ここでの私の方法はマルコフ的M/M/mの正確な公式、特に古典的なアーランC式、以下の(2.3)の上に築くことである。また私はM/M/mのもう一つの閉形式の式を提供する。セクション2.3参照。1次改良を得るために重負荷理論を利用する(Borovkov 1965, 1967、Iglehart 1965、Kingman 1965、IglehartとWhitt 1970、Koellerstroem 1974、HalfinとWhitt 1981、Whitt 1982a)。全体手続きの適切な概観はたぶん重負荷近似としてであろう。思慮深い改善によって、重負荷近似は広範囲のパラメータの値において効果的である。これらの新しい結果を得るための最も重要な重負荷近似はHalfinとWhitt (1981)におけるGI/M/mでの待ち確率の近似である。
 我々はCosmetatos (1975)によるM/D/mシステムとD/M/mシステムのすばらしい近似を利用して、期待待ち時間における2次改良を導出する。[しかし、これらであっても、非常に軽い負荷においては改善を必要とする。以下(2.17)を参照]。最後に広範囲に表(Kuihn 1976、HillerとYu 1981、Groenevelt, van Hoorn, Tijms 1984、SeelenとTijms 1984、Seelen, Tijms, van Hoorn 1985、de Smit 1983a, 1983b、そして個人的なやり取り)を用いて、正確な値と比較したのちこれらの近似を調整する。これらの表がカバーしていないいくつかのケースの値はSeelen, Tijms, van Hoornによって開発されたQ-LIBプログラムから得た(私的やりとり)。LucantoniとRamaswami (1985)、RamaswamiとLucantoni (1985a, 1985b)、Bertsimas (1988, 1990)によって開発されたGI/PH/m待ち行列の正確な解のための数値計算手続きもまた使用された。Seelen, Tijms, van Hoorn (1985)はこの研究の多くに充分である。他の表は私の仕事がほぼ完了するまで彼らの本が利用出来なかったので主として使用された。
 De Smitからのデータ(1983a 1983b、そして個人的なやりとり)は特に有用であった。というのはそれらは基本パラメータ4つ組(\rho,c_a^2,c_s^2,m)に整合する合理的な正確な値の範囲の示唆を与えるものであったからである。De Smitはさまざまな到着間隔時間分布とサービス時間分布を持つが同じ基本パラメータ4つ組(\rho,c_a^2,c_s^2,m)を持ついくつかのGI/H2/mモデルの主要な混雑尺度の正確な値を与えた。Whitt (1984a, 1984b)とは異なり、我々はこれらの複数サーバ待ち行列の全ての可能な値の組を知らないが、de Smitのケースは典型的な値がどこにあるかを示している。De Smitのデータでのこの組の大きさは分布の部分特徴づけに基づくこれらの近似で可能な精度についてよい見解を与える(表8〜10、表18〜20)。部分的なモーメント情報から得られる精度は限定されているが、結果はそれが適切であることを示しており、実際の近似は可能である。