Whitt教授の「Approxomations for the GI/G/m queue」の翻訳(13)

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から入手出来ます。


 H_2/M/mモデルの期待待ち行列長の同じ近似を正確な値と比較する(表4)。H_2到着間隔時間分布は密度

  • f(x)=p_1\lambda_1e ^{-\lambda_1x}+ p_2\lambda_2e ^{-\lambda_2x}、 x{\ge}0・・・・(2.27)

を持ち、p_1,p_2,\lambda_1,\lambda_2{\ge}0p_1+p_2=1なので、パラメータは3つあることになる。平均\lambda^{-1}c_a^2が与えられると、よって残り1つの自由度があり、それはコンポーネント内の総平均におけるより小さいほうの平均の割合(下記で定義される)によって指定される。

  • r=(p_1\lambda_1^{-1})/(p_1\lambda_1^{-1}+p_2\lambda_2^{-1})・・・・(2.28)

ただし\lambda_1>\lambda_2である(Whitt 1984b、セクションV)。H_2到着間隔時間分布はトラフィック強度\rhoc_a^2=2.25r=\frac{1}{2}によって指定される。r=\frac{1}{2}の場合はしばしばバランスのとれた平均と呼ばれる。それは与えられた最初の2つのモーメントについてだいたい範囲の真ん中のH_2分布を生成する。表4における一致度合いは両方の近似について非常に良いが、それらはmが大きくて\rhoが小さい時に正確な値を過小評価する傾向がある。合致度合いはパラメータのペア(c_a^2,c_s^2)=(2.25,1)に関係する可能な値の集合を考慮すると近い。これは関連する後のケース(表8〜10)で示される。Whitt (1984a, 1984b)、KlincewiczとWhitt (1984)、JohnsonとTaaffe (1991)は関連する背景を提供している。
 近似を評価する時、特に大きなmについて、ここに示した近似は期待待ち行列長についてであることを考慮に入れることは重要である。(2.2)により、EW=(EQ)/(\rho{m})なので、大きなmの場合EWEQよりずっと小さい。例えば、H_2/M/mモデルにおいて\rho=0.80かつm=100の時、正確な値はEQ=0.36(表4)であるがEW=0.0045であり、通常、実際の目的にとっては無視出来るものである。よって、このケースで相対誤差が大きいことは通常さほど重要ではない。


表4
c_a^2=2.25であるようなH_2/M/mモデル(バランスのとれた平均を持つ超指数関数の到着間隔分布)における期待待ち行列長(サービス中の客を除く)の近似とKuihn (1976)による正確な値との比較