Whitt教授の「Approxomations for the GI/G/m queue」の翻訳(21)

原文は

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 しかし、c_a^2<1の時、LB率近似は[(2.10)に基づく他の全てについても同様に]mが大きくて\rhoが小さい時に待ち確率をかなり過小評価してしまう。よって、この領域で向上を得るために(2.11)での正規近似を用いて(3.4)を修正する。このために、(2.11)の正規近似を用いる。GI/G/mについての正規近似はP(N{\ge}m)\approx{1}-\Phi(\gamma)で、ただし\Phiは累積標準正規分布関数であり、

  • \gamma=\gamma(m,\rho,z)=(m-m\rho-0.5)/(m\rho{z})^{1/2}・・・・(3.5)
  • z=1+(c_a^2-1)\tau^{-1}\Bigint_0^{\infty}[1-G(x)]^2dx・・・・(3.6)

Gはサービス時間の累積分布関数である。平均1の指数サービス時間の場合我々はz=(c_a^2+1)/2と見なす。M/G/mモデルについては(3.5)は(2.11)に帰着する。G/M/mモデルについてのこの正規近似を示す(表15と16)。mが大きく、かつ\rhoが小さいのでない限り、やはりこれは貧弱な近似である。しかし、D/M/mモデルにおいてmが大きくかつ\rhoが小さい時、明らかに役立つ(表15)
 GI/M/mモデルで私が用いた特殊な近似はサーバの数mと(3.5)における正規変数\gamma(m-m\rho-0.5)/\sqrt{m\rho{z}}に依存する。具体的には、私の近似は以下である。

  • P(W(GI/M/m)>0)
    • \approx\left{\begin{array}(3.4)\text{        if  m{\le}6 or if \gamma{\le}0.5  or  if c_a^2{\ge}1}\\c_a^2(3.4)+(1-c_a^2)(3.5)\text{    if  m{\ge}7,\gamma{\ge}1.0 and c_a^2<1}\\2(1-c_a^2)(\gamma-0.5)(3.5)+(1-[2(1-c_a^2)(\gamma-0.5)])(3.4)\\\text{if  m{\ge}7,c_a^2<1 and 0.5<\gamma<1.0}\end{array}・・・・(3.7)

ただし式の番号(3.4)、(3.5)は(3.7)の中で実際の値の代わりに使用されている。近似式(3.7)は表14と15においてGI/M/mモデルの近似である。公式(3.7)は通常(3.4)のLB率近似に帰着する。しかし若干の領域で私は(3.5)の正規近似をも適用する。この考えは3つの条件、(1)サーバ数mが大きい、(2)到着変動パラメータc_a^2が小さい、(3)式(3.5)の正規変数\gammaが比較的大きい、が一緒に成り立つ場合に正規近似を用いるというものである。EWについての公式(2.24)と同じように、式(3.7)はパラメータ\lambdac_a^2\tauの連続関数である。


表15
D/M/mモデルにおける待ち確率P(W>0)の近似とKuihn (1976)による正確な値の比較