Whitt教授の「Approxomations for the GI/G/m queue」の翻訳(22)

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3.4. 一般GI/G/mモデル
GI/M/mモデルについての近似式(3.7)を非指数サービス時間分布を持つGI/G/mモデルに拡張するための私の最初の考えは、サービス時間変動パラメータc_s^2と無関係にまったく同じ公式を用いることであった。これは、待ちの確率はサービス時間分布よりも到着間隔時間分布にずっと多く依存するという、M/G/mでの経験に合った直感に基づいていた。しかし、若干さらに改善することが有益であることが分かった。
 私の2番目の考えはGI/G/\inftyのケースを利用することであった。そこでは一般サービス時間についての具体的な結果が存在する。特に、(3.6)における主要パラメータzc_a^2c_s^2の次の関数としてよく近似出来る。

  • z\approx(c_a^2+c_s^2)/(1+c_s^2)・・・・(3.8)

公式(3.8)はc_a^2=1またはc_s^2=1の時には以前検討したM/G/mGI/M/mの場合に帰着して正確になる。公式(3.8)はc_s^2=0の時も正確である。
 公式(3.8)はHalf-Whitt近似(2.10)を\beta(1+c_s^2)\beta/(c_a^2+c_s^2)で置き換えることによって拡張することを示唆している。そしてそれはc_s^2=0の時に(3.2)に一致する。[しかしながら、(2.10)と(3.2)を支持する重負荷極限定理はこのヒューリスティック近似を支持するように拡張しない。] 同様に、(3.8)から私は(3.4)のLB率近似の分子に[tex:1-\Phi*1]を用いることを提案する。よって、正規近似(3.5)のための(3.6)のzについて(c_a^2+c_s^2)/(1+c_s^2)を用いることを提案する。確かに、(3.7)の文脈で(3.5)の正規分布にこの改善を用いる。また、(3.2)の古いLB率と新しいLB率とで、新しいほうに\rho^2で重みづけた凸結合を用いる。
 よって一般の部分的に指定されたGI/G/mモデルについての最終の新しい近似は、

  • P(W(\rho,c_a^2,c_s^2,m)>0)\approx\min\{\pi,1\}・・・・(3.9)

ただし

  •  \pi=\{\begin{array}\pi_1\text{        if  m{\le}6 or \gamma{\le}0.5  or  c_a^2{\ge}1}\\\pi_2\text{         if  m{\ge}7 and \gamma{\ge}1.0 and c_a^2<1}\\\pi_3\text{      if  m{\ge}7 and c_a^2<1 and 0.5<\gamma<1.0}\end{array}・・・・(3.10)

であり

  • \pi_1=\rho^2\pi_4+(1-\rho^2)\pi_5
  • \pi_2=c_a^2\pi_1+(1-c_a^2)\pi_6
  • \pi_3=2(1-c_a^2)(\gamma-0.5)\pi_2+(1-[2(1-c_a^2)(\gamma-0.5)])\pi_1
  • [tex:\pi_4=\min\left\{1,\frac{1-\Phi*2}{1-\Phi((1-\rho)m^{1/2})}P(W(M/M/m)>0)\right\}]
  • \pi_5=\min\left\{1,\frac{1-\Phi(2(1-\rho)m^{1/2}/(1+c_a^2))}{1-\Phi((1-\rho)m^{1/2})}P(W(M/M/m)>0)\right\}
  • \pi_6=1-\Phi((m-m\rho-0.5)/\sqrt{m\rho{z}})・・・・(3.11)

\gammaについては(3.5)を用いzには(3.8)を用いる。公式\pi_5は(3.4)のGI/M/mモデルのLB率近似であり、一方\pi_4は上記(3.8)のzに基づいたそれの修正である。
 将来の研究は(3.4)の形の近似式を目指すことになるだろう。ここではLB率の分子はx=x(\rho,c_a^2,c_s^2,m)について1-\Phi((1-\rho)\sqrt{m}x)である。(3.4)ではx~2/(1+c_a^2)である。このアイディアは累積正規分布関数の内部の関数xに(3.11)での\pi_1\pi_2\pi_3の凸結合を組み込むことだろう。それはよりきれいな公式を作り出すのによいであろう。

*1:1+c_s^2)(1-\rho)m^{1/2}/(c_a^2+c_s^2

*2:1+c_s^2)(1-\rho)m^{1/2}/(c_a^2+c_s^2