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4. 待ち時間分布
このセクションでは定常状態待ち時間と定常状態滞在時間の分散とさらにそれらの分布全体についての近似を得る。セクション4.1ではここでまた適用するWhitt (1983a、セクション5)での近似手続きを見直す。セクション4.2では漸近法に基づいた別の方法について手短に検討する。これについてはここでのとの近似に用いることが出来る。セクション4.3では数値比較を行う。
4.1. 条件待ち時間
待ち時間の分散と待ち時間累積分布関数の近似を得るために、Whitt (1983a、セクション5.1)で待ち行列について用いたのと同じ手続きを採用する。サーバがビジーであるとした時の条件待ち時間に注目する。明らかに
- ・・・・(4.1)
よって先の(2.24)のの近似式と(3.9)のの近似式を組合わせての近似式を得る。Whitt (1983a)の公式(50)に従って、の2乗変動係数(SCV)、の以下の近似式を導入する。
- ・・・・(4.2)
ただし、であり、はサービス時間である。3次モーメントは部分的モデル仕様では利用可能でないので、との分布に基づく近似を用いる。具体的には、
- ・・・・(4.3)
とする。公式(4.2)はモデルについては正確な公式であり、Hokstad (1978)が提案したように、モデルについての近似式として用いられる。次にをモデルと同様にモデルについての近似として用いる。この考えは条件待ち時間は到着間隔時間分布よりもサービス時間分布にずっと依存するはずだ、というものである。SeelenとTijims (1984)はこの近似方針についてさらに支持を与えた。
(4.1)〜(4.3)から単純なやり方で2次モーメントと分散の近似を得る。
- ・・・・(4.4)
次にWhitt [1983a、公式(55)〜(61)]で述べたように、待ち時間分布を、また(3.9)を用いてゼロでのかたまりを持つようにし、(4.1)と(4.2)によるとを与えての密度を合わせることによって近似する。
(4.4)から滞在時間混雑尺度を容易に求めることが出来る。滞在時間は独立な待ち時間とサービス時間の合計なので、
- 、そして、・・・・(4.5)
よって、、そして、