宮澤正明写真展「伊勢神話への旅」を見てきた

伊勢市宇治山田駅構内で4月7日から5月20日まで開催されている「宮澤正明写真展 伊勢神話への旅」を見てきました。無料だったので。
そんなもの地元なんだからさっさと見ればよかったのですが、出張で出かける時は早朝でまだ会場が開いておらず、出張から帰る時は夜遅くてもう会場は開いておらず、で見る機会がありました。それを昨日見てきましたが――


見てよかったです。写真の技術については何も知らない私ですが、この現代にこういう光景が存在していることの貴重さを感じました。そこで見た写真のいくつかは、以下のサイトで見えます。

あと、宮澤正明氏のオフィシャルサイトは

です。
私が特に印象に残った写真の1つは内宮の二の鳥居で白装束の神官が祭りの開始の太鼓をたたいている光景の写真で、バチを持つその神官の右手の袖が風に膨らみ、足を一歩踏み出している光景が躍動的で素敵でした。もうひとつの写真は新嘗祭の写真で、夜、懸り火で照らされた神官の影がぼんやりと帳に映っている様を撮ったものです。


ここ数日の私のエントリーの流れからすると、伊勢神宮に感銘を受ける私は笙野頼子から怒られそうですが、国家と神道の関係はなかなか一筋縄にはいかない、たとえ支配の思想がそこにあったとしても、むき出しの資本主義の奔流(効率追求を常に強いる社会の仕組み)の中で奇跡的にこの異空間を確保出来ているのであれば、それは大切な何かを守っていることになるのではないか、と、写真を見ながら思いました。私は甘いのかなあ・・・・。まあ、この写真展自体が来年の式年遷宮に向けた近鉄の集客戦略であることは分かっているのですが。私も心情的には神道左翼なんだけどね。


この写真展は5月26日〜7月1日には調布市文化会館で行われるそうです。


最後に違和感を感じたこと。タイトルの「伊勢神話への旅」という言葉。こういう言葉を見ると、「えっ、じゃあ、伊勢にどういう神話があるんだよ。伊勢にかかわる神話を言ってみろよ。」と私はつい言ってしまいそうになります。記紀を見ても伊勢が神話の舞台になる場面はあまりありません。記紀は大和、出雲、日向が主な舞台ですね。それを思うと「伊勢神話への旅」という言葉は実質が伴っていない軽い言葉に思えてしまいます。私、ひねくれ者なので。