待ち確率の近似式(8)

待ち確率の近似式(7)」の続きです。
待ち確率の近似式(7)」で精度が向上したことをもう少しはっきりさせるために、それ以前の近似と今回の近似の差を比較してみます。すると下の表のようになります。

これを見ると確かに式(44)(上の表では「近似」の欄に表示)

  • \Pi(GI/G/s)=u^{\sqrt{2(s+1)}-2}b・・・・(44)

より、式(45)(上の表では「近似2」の欄に表示)

  • \Pi(GI/G/s)=b^{\sqrt{2(s+1)}-1}・・・・(45)

のほうが精度がよいことが分かります。


しかし、だからと言って喜んでばかりはおれません。他の待ち行列の場合に式(45)が精度のよい近似であるかどうかを確かめる必要があります。まず、M/G/sの場合ですが、この場合はc_a=1なのでbは式(39)

  • b=u+(c_a-2-1)u(1-u)h(u,c_a^2,c_e^2)・・・・(39)

c_a=1を代入することにより、

  • b=u・・・・(47)

となります。よって式(45)は

  • \Pi(M/G/s)=u^{\sqrt{2(s+1)}-1}・・・・(46)

となり、以前の近似式と一致します。ということは、以前の近似式と同等の精度を持つ、ということになります。